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  1. 港区議会 2017-03-10
    平成29年度予算特別委員会−03月10日


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    平成29年度予算特別委員会−03月10日平成29年度予算特別委員会 平成29年度予算特別委員会速記録(第10号) 平成29年3月10日(金) 午後1時開会 場  所  第3・4委員会室 〇出席委員(34名)  委員長   池 田 こうじ  副委員長  いのくま 正一       杉本 とよひろ  理  事  山野井 つよし       兵 藤 ゆうこ        池 田 たけし       黒崎 ゆういち        横 尾 俊 成       有 働  巧        ゆうき くみこ  委  員  玉 木 まこと       榎 本 あゆみ        丸山 たかのり       小 倉 りえこ        赤 坂 大 輔       榎 本  茂        清 家 あ い       ちほぎ みき子        やなざわ 亜紀       鈴 木 たかや        土 屋  準        大 滝  実        杉 浦 のりお       なかまえ 由紀
           阿 部 浩 子       近 藤 まさ子        二 島 豊 司       熊 田 ちづ子        風 見 利 男       七 戸  淳        林 田 和 雄       清 原 和 幸        うかい 雅 彦       井 筒 宣 弘 〇欠席委員  なし 〇出席説明員  区 長                武 井 雅 昭  副区長                田 中 秀 司  副区長        小柳津  明  教育長                青 木 康 平  芝地区総合支所長           波多野  隆  街づくり支援部長兼務  芝地区総合支所副総合支所長      若 井 世台子  芝地区総合支所管理課長兼務  麻布地区総合支所長          堀   二三雄  産業・地域振興支援部長兼務  麻布地区総合支所副総合支所長     大 滝 裕 之  麻布地区総合支所管理課長兼務  赤坂地区総合支所長          森   信 二  子ども家庭支援部長兼務  赤坂地区総合支所副総合支所長     櫻 庭 靖 之  赤坂地区総合支所管理課長兼務  高輪地区総合支所長          横 山 大地郎  環境リサイクル支援部長兼務  高輪地区総合支所副総合支所長     遠 井 基 樹  高輪地区総合支所管理課長兼務  芝浦港南地区総合支所長        浦 田 幹 男  保健福祉支援部長兼務  芝浦港南地区総合支所副総合支所長   亀 田 賢 治  芝浦港南地区総合支所管理課長兼務  地域振興課長             高 嶋 慶 一  保健福祉課長             西 田 京 子  地域包括ケア福祉施設整備担当部長  所   治 彦  みなと保健所長            吉 田 道 彦  生活衛生課長             菅 根 克 己  子ども家庭課長            長谷川 浩 義  都市計画課長             野 澤 靖 弘  特定事業担当部長           坂 本  徹  環境課長               関 本 哲 郎  企画経営部長             安 田 雅 俊  企画課長               野 上  宏   区長室長       新 宮 弘 章  区役所改革担当課長兼務  財政課長               湯 川 康 生  用地・施設活用担当部長        齋 藤 哲 雄  防災危機管理室長           高 橋 辰 美  防災課長               佐 藤 博 史  総務部長               渡 邊 正 信  総務課長               星 川 邦 昭  会計管理者              奥 野 佳 宏  (会計室長事務取扱)  教育委員会事務局次長         益 口 清 美  庶務課長               佐 藤 雅 志  監査事務局長             塚 田 浩 一 〇出席事務局職員  区議会事務局長            北 本  治   次  長       河 本 良 江                                               ほか                 午後 1時00分 開会 ○委員長(池田こうじ君) ただいまから本日の委員会を開会いたします。  本日の署名委員をご指名いたします。いのくま正一副委員長、杉浦のりお委員にお願いいたします。  この際、謹んで皆様に申し上げます。本日3月10日は、東京都平和の日です。さきの大戦により犠牲になられた方々を追悼し、世界の恒久平和を祈念して、午後2時に黙とうを行いたいと存じます。  質疑の途中においても、質問、答弁の区切りのよいところで委員会を休憩し、自席にて待機していただき、全館放送に基づき黙とうを捧げ、黙とう終了後、委員会を再開いたしますので、ご承知おき願います。
     なお、質問時間が残っている場合は、改めて時間を表示いたしますので、よろしくお願いいたします。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) これより審議に入ります。  去る3月8日に大滝委員ほか3名から提出されました平成29年度港区一般会計予算に対する修正案、平成29年度港区国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び平成29年度港区介護保険会計予算に対する修正案について、一括して議題といたします。  それでは、修正案について、提案者の説明を求めます。 ○委員(大滝実君) それでは、提案者を代表いたしまして、2017年度港区一般会計予算、港区国民健康保険事業会計予算及び港区介護保険会計予算に対する修正案の提案説明を行います。  この間、GDPは横ばいで、依然として低い伸びとなっています。  総務省が1月31日に発表した労働力調査によると、2016年12月の完全失業率は3.1%で前月と同水準です。就業者数は31万人増の6,475万人、失業者数は4万人増の209万人、雇用者数のうち非正規労働者の割合は37.9%と、引き続き高水準となっています。また、2014年の消費税増税後、2人世帯以上の実質消費支出は3年連続マイナスで、落ち込んだ消費が回復していません。  総務省がことしの2月17日に発表した家計調査2016年平均速報によれば、2人以上世帯のうち、勤労者世帯の実収入は、1997年、平成9年の59万5,214円を頂点に、2016年には52万6,973円と7万円近く下がりました。国民の購買力が低下し、中小企業にも影響が出ています。  内閣府がことし2月8日に発表した1月の景気ウォッチャー調査によると、3カ月前と比べた街角の景況感を示す現状判断指数は、前月比1.6%低下の49.8%でした。7カ月ぶりに悪化し、好不況の分かれ目となる50%を3カ月ぶりに下回りました。基調判断は、持ち直しが続いているものの一服感が見られるという表現に引き下げられています。  区長は、所信表明の中で、「区民の誰もが、安全・安心を基盤に、生涯を通じて快適に暮らすことができる、活力とやさしさに満ちたまちの実現に向けて、全力で挑戦する」と表明されました。区が進める巨大開発のまちづくりによって、昔から港区に住んでいた方が立ち退きでいなくなり、その土地には巨大なオフィスビルや超高層マンションが建設され、富裕層が多く転入しています。港区の所得割の人口構成を見ても、富裕層と低所得者の二極分化が極端に進んでおり、貧困と格差は大きく広がっています。  港区の生活保護世帯は2017年1月末現在、1,972世帯と毎年増え続けています。国民健康保険の滞納世帯は2015年度末で27.46%、介護保険料も基準額が23区でトップとなり、滞納も2017年1月末で26.56%と依然として高い水準です。介護保険の利用料も一定所得のある方は1割負担から2割負担に引き上げられています。国民健康保険料も毎年上がり続け、今回も均等割の引き上げが行われたため、2017年度の1人あたり保険料は7,252円の値上げになり、1人あたりの平均保険料が11万8,441円と影響は一層深刻になっています。就学援助では、2017年2月15日現在、小学校の認定率は13.05%、中学校では29.96%という状況です。  その一方、森ビル株式会社住友不動産株式会社などの大企業が進めている市街地再開発への多額な税金投入を行っています。この34年間で363億円もの補助金を支出、今後5年間で259億円、2021年度以降も205億円で、計464億円の税金投入を計画しており、引き続き再開発のためのアクセルを踏み続けようとしています。  国民、区民の暮らし、雇用、商売はますます深刻になっています。子どもは6人に1人が貧困と言われ、大きな社会問題になっています。こうしたときだからこそ、区民生活を支え、安心して働き、商売が続けられるための区の施策が求められています。この立場から、特に緊急性の高い項目に絞り、一歩でも二歩でも区民応援の予算となるよう修正案を提案いたします。  それでは、内容について説明をいたします。  まず、修正案の大まかな特徴を説明します。歳入歳出とも原案の1,661億5,000万円を16億9,524万4,000円増額し、1,678億4,524万4,000円といたします。不足する財源として、財政調整基金を41億6,305万4,000円増額して繰り入れます。  次に、修正案の概要を説明します。別紙、修正案の概要をごらんください。  歳入ですが、第13款国庫支出金は、市街地再開発事業支援補助金を中止する関係で、国庫補助金22億2,600万円余を減額します。第14款都支出金は、市街地再開発事業支援補助金を中止する関係で、都の補助金を2億4,180万円余減額します。第17款繰入金は、財政調整基金から41億6,305万円余を繰り入れます。  次に、歳出の概要です。  まず、第4款民生費では、社会福祉費で、1、全ての在宅介護保険サービス利用者負担を3%に引き下げます。2、心身障害者福祉手当を1級及び2級の精神障害者にも支給します。3、75歳以上の高齢者の医療費を無料にします。児童福祉費では、18歳までの医療費負担をゼロにします。これにより民生費全体で35億430万8,000円の増額となります。第7款土木費では、都市計画費の市街地再開発事業支援補助金等の削減により、38億3,641万円の減額をいたします。第8款教育費については、小学校費で、1、小学校の入学支度金を1人あたり2万円支給します。2、給食費を無料にします。中学校費についても、1、中学校の入学支度金を1人あたり3万円支給します。2、給食費を無料にします。3、修学旅行の助成として5万円を限度に支給します。第10款諸支出金ですが、国民健康保険料の均等割を1万円引き下げるため国民健康保険事業会計に、介護保険料の基準額を1,000円引き下げるため介護保険会計に、それぞれ繰り入れるための拠出金です。  以上が、一般会計予算の修正案の内容です。  最後に、国民健康保険事業会計介護保険会計についてです。原案、修正案の歳入歳出の金額に変更はありませんが、保険料の減額を一般会計から繰り入れています。  区長は、「区民の誰もが、安全・安心を基盤に、生涯を通じて快適に暮らすことができる、活力とやさしさに満ちたまちの実現に向けて、全力で挑戦する」と所信表明で述べられました。この思いは私たちも同じです。最初に申し上げたように、雇用と景気、経済の悪化の中で、区民の生活は本当に深刻です。こういうときに、港区が区民生活と中小企業、商店の営業を守る予算を組むべきです。  ぜひ、ご審議の上、ご賛同いただき、ご決定されるようお願いいたします。また、部分的にでもご賛同いただけるものがあれば、提案いただければ受け入れる用意はあります。そのことを申し添えて、提案者を代表しての提案理由といたします。 ○委員長(池田こうじ君) 説明は終わりました。     ──────────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) これより、平成29年度港区一般会計予算に対する修正案、平成29年度港区国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び平成29年度港区介護保険会計予算に対する修正案の質疑を行います。  初めに、清原委員。 ○委員(清原和幸君) 私からは、財政調整基金の活用と財政運営の考え方についてお尋ねいたします。  我が国の経済は、2月の月例経済報告によれば、景気は一部に改善のおくれも見られるが緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、雇用・所得環境の改善計画が続く中で、各種政策の効果もあって緩やかに回復していくことが期待される。ただし、海外経済の不確実性や、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとのことです。企業収益は改善の動きが見られる、また、企業の業況判断は緩やかに改善している、雇用情勢の先行きについては改善していくことが期待されている、との前向きな基調判断がなされています。  港区の財政状況も健全な状況を維持しており、また、行政では、昨年10月に将来課題を先取りした積極的・戦略的な財政運営を目指す港区財政運営方針を改定したところです。しかし、港区は、景気の変動や海外経済の動向、税法改正などによる影響を受けやすい不安定な歳入構造であることも常に念頭に置き、過去の厳しい財政経験を生かし、中・長期的視点に立ち、次世代に過度な負担を残さないよう、財政の健全性を議会としても堅持していく責任があります。そのような視点から見ますと、今回提案された修正予算案に対しては疑問を感じざるを得ません。  そこで幾つか質問させていただきます。修正予算案においては、約42億円もの財政調整基金を取り崩すこととしています。財政調整基金は、地方自治法や地方財政法によりその使途が定められており、その目的以外には使用することができないことになっています。また、港区震災後の区民生活の再建並びに産業及びまちの復旧復興のための基金、いわゆる震災復興基金の財源として、平成29年度予算で、財政調整基金から組みかえにより取り崩した後の財政調整基金残高は、標準財政規模の5割程度となり、区民税等の減収局面に備えて、取り崩し後の残高を維持するべきと認識しております。区議会としても、将来を見据えて常に中・長期的視点に立った計画的・安定的な行政サービスの提供に努める責務があることを肝に銘じておかなければなりません。修正予算案では、財政調整基金を約42億円取り崩すこととしていますが、基金の使途という観点から大きな問題があります。と同時に、将来にわたる財政運営に不安定さを感じます。提案された事業のほとんどは、臨時的な経費ではなく、今後恒常的に経費が必要となるものばかりで、仮に来年度以降も修正予算案の事業を継続し、財政調整基金の繰り入れで不足財源を補っていけば、区民税収入が減収局面を迎えた際に、港区ならではの区民サービスの提供が困難になり、本来活用すべき時期に枯渇してしまい、区財政は歳入不足を埋める手だてを失ってしまう事態に陥ることになります。それは将来に責任を持つ区議会としてはとるべき方策ではないと考えます。  そこでお聞きしますが、財政調整基金の活用について、どのようなときに活用すべきとお考えなのか。また、修正案はいずれも経常的な事業の増額となっているようですが、翌年度以降の財源調達について、その基本的な考え方をお伺いいたします。 ○委員(熊田ちづ子君) 財政調整基金の活用と、翌年度以降の財源調達についてお答えいたします。財政調整基金の活用については、ご存じのように、地方財政法に定められております。1、経済事情の著しい変動等により財源が著しく不足する場合。2、災害により生じた経費の財源、または災害により生じた減収を埋めるための財源に充てるとき。3、緊急に実施することが必要となった大規模な土木その他の建設事業の経費、その他やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるとき。4、長期にわたる財源の育成のためにする財産の取得等のための経費の財源に充てるとき。5、償還期限を繰り上げて行う地方債の償還の財源に充てるとき。この5つが地方財政法で規定をされています。私たちが財政調整基金を活用する根拠についてですが、これは毎回お答えしておりますが、私たちは、3の後半の部分の、その他やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるとき、これを根拠としています。  基本的な考え方は、区民の皆さんの暮らしが深刻さを増す中で、少しでも区民の暮らしと福祉を応援することが必要と思っていますので、財政調整基金を活用して修正案を提出いたしました。私たちは予算をつくることはできませんので、区議会議員の権利として修正案を提出することで区民生活を応援しようと考えました。今回の修正案が皆さんのご賛同をいただければ、来年度以降は予算を組む権限を持っている執行機関である区長が当初予算に組んで、制度として実現してくれるものと思います。修正予算案の内容を見ていただけるとわかると思いますが、多くの区民や子育て世代の応援になる施策です。支給や軽減を受けることで、区民が安心して暮らしを送ることができ、経済的な支援になることが、何よりの財産ですし、その分消費に回ります。区の財政にはね返ってきて、区民と区との間に好循環が生まれ、港区の豊かな財政を支えることにもなると考えております。 ○委員(清原和幸君) 今後も特別区民税の増収が期待されるものの、区財政を取り巻く環境には景気を下押しするリスクも依然として存在しています。アメリカ、欧州、中国など、海外経済の動向、ふるさと納税などは、国の税法改正による影響など、区を取り巻く環境を考えたとき、特別区民税収入が落ち込み、区財政の状況が悪化することも想定しなければなりません。いかなる状況においても、次世代に過度な負担を残さず、良質な行政サービスを続けることができるよう備えることが大切です。翌年度以降の財源確保については、不用額から捻出するとのお考えを過去の修正予算案の質疑の中で示されております。しかし、不用額の理由を分析すると、契約落差などで生じたものが大半となっており、予算を適正に執行した結果であると考えます。不用額を減らす努力は行政側も行っており、それは補正予算からもうかがえます。予算と決算の差となる不用額分をあらかじめサービス経費として差し引いて、各事業予算を削減することは、結果として、必要な行政サービスが適正に執行できなくなる懸念もあり、区民サービスに影響が出ることは容易に想像できます。  そこでお聞きしますが、次世代に過度な負担を残さないための財政運営について、その基本的な考え方をお伺いします。 ○委員(熊田ちづ子君) 次世代に過度な負担を残さないための財政運営についてです。先ほどのご質問でもお答えしましたが、区民の暮らし応援の施策が拡充することで、経済面でも区民と区との間で好循環が生まれると考えます。財政調整基金は、地方財政法の規定で決算剰余金の2分の1以上を財政調整基金に積み立てることになっています。過去5年間の財政調整基金に積み立てたお金は、平成23年度の決算時が27億4,000万円、平成24年度の決算時が38億2,000万円、平成25年度の決算時が34億5,000万円、平成26年度の決算時が38億円、平成27年度の決算時は57億円です。私たちの修正案の繰入金は41億6,305万4,000円です。清原委員も触れておりましたが、来年度予算では、震災復興基金の積み立てなどに、財政調整基金を335億円活用します。こうした思い切ったことができるのも、港区の財政が今後も安定して続くとの予測の上に立ってだと思います。仮に財政が厳しくなっても対応できる基盤を確保してのことと思います。先ほど、震災復興基金を取り崩した後の残高を維持すべきと言われましたが、そういうことで区民生活を縛るのは、今回の震災復興基金の積み立ての考え方とも違うと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 ○委員(清原和幸君) 区民から信託を得ている我々区議会議員は、区民が日々の生活を安全で安心して送ることができ、現在はもちろん、将来にわたり区民が不安を抱くことがないよう、持続可能な区政運営を維持させることが使命であるはずです。このことからすれば、中・長期的視点を無視した財政運営を行い、単に金銭給付を行うことで区民サービスの向上を図るなど、修正予算案については、実施方法をはじめ、その政策効果という点で大きくの疑問と問題を内包していると言わざるを得ません。したがって、我々としてはとても賛同できる予算案とは言いがたいと申し上げ、修正予算案に対する質問を終わります。 ○委員長(池田こうじ君) 清原委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(池田こうじ君) 次に、杉浦委員。 ○委員(杉浦のりお君) 我々は、土木費における修正案に対して幾つかご質問をさせていただきます。  市街地再開発事業等諸制度の活用と支援の補助金約38億円を削減するというご提案についてです。再開発事業により、老朽化した建物の更新と道路・公園などの都市基盤整備が一体的に行われ、防災性にすぐれ、市街地の改善が図られることによって、まちの課題を解消し目指すべき将来像の実現が可能となります。そのために補助金は必要であると考えますが、いかがでしょうか。 ○委員(大滝実君) 杉浦委員のご質問にお答えをいたします。  ご質問が再開発の目的にかかわることですので、まず、再開発について述べさせていただきます。再開発とは、大企業と区が一体となって一定の地域を決め、そこに住む住民の意向に関係なくそこを開発しようとするものです。再開発事業は、一旦都市計画決定されると、再開発に反対でも強制的に組合に加入させられ、あるいは引っ越すしか選択肢がなくなり、地権が制限されます。さらに、個人財産である土地が床にかわり、財産は組合管理となります。これまで住んでこられた方は、一定の土地があり、そこに住み続けたいと思えば、子どもや孫、ひ孫、ずっと代々住み続けられるのです。ところが、一旦再開発に巻き込まれると、土地が床にかわり、建物は劣化し、資産価値がなくなるばかりか、建て替えたいと思っても、ビルの権利者の合意がなければ建て替えもできません。できたビルは、保留床を生み出すため超高層ビルにならざるを得ず、引き続きそこに住みたいと思っても、管理費や修繕積立金などの維持費が高く、住み続けることができず、やむなく港区を出ていかなければならなくなった人も多数おられます。これまで進められてきた再開発の状況は深刻です。再開発第1号のアークヒルズは、森ビル株式会社が土地を買いあさる前には1,200人もいた住民が、再開発後には地権者がわずか47人になっていました。六本木六丁目では、都市計画決定時に1,118人いた住民が事業完了時には591人、白金一丁目東地区では313人から100人、六本木一丁目西地区では433人から106人、いずれも2分の1から4分の1に住民が減ってしまいました。  一方、中心に居座る大企業は圧倒的部分の土地を持っておりますし、大幅な容積の上乗せで持分を獲得する上に保留床を販売し、多額のもうけを得ることになります。これが再開発です。再開発になぜ私たちの税金が使われるのか。補助金支出はやめようが圧倒的な区民の声です。このようなことから、補助金支出をやめることは、区民からも理解を得られるものだと考えております。 ○委員(杉浦のりお君) また、再開発事業は、区民である権利者が自分たちのまちをつくるために協働で事業を行うものであり、補助金はその権利者により組織された再開発組合に対して生活再建を目的に支援するものです。中止することは、区民である権利者にとって不利益につながるのではないかと思いますが、ご見解をお聞かせください。 ○委員(大滝実君) 再開発を進めようとしているのは誰なのかということです。超高層ビルを建てて大もうけをしようとする森ビル株式会社住友不動産株式会社など大企業やディベロッパーではないでしょうか。再開発事業は、一旦都市計画決定がされると、反対している方も強制的に組合に加入させられることになります。個人の土地も含めて勝手に計画して嫌なら出ていけという、強制的な追い出しです。住民主体のまちづくりこそ区は応援すべきです。そこに住む区民だけでまちづくりをしたいとのご相談があった場合には、超高層ビルではなく、周辺に調和したまちづくりをどう進めていくのか、必要な専門家の派遣などの支援を行うべきと思っております。 ○委員(杉浦のりお君) 最後にもう一つ、補助金の支出を取りやめることにより、再開発事業がもし破綻した場合、都市再開発法では、東京都あるいは区が負債を背負って事業代行する可能性もあると思いますが、そのような状況も考慮してこのような修正案を出されたのかどうか、ご見解をお聞かせください。 ○委員(大滝実君) 補助金の支出を取りやめたことで再開発事業が破綻することはありません。各再開発の総事業費が莫大であるため、補助金の割合はわずかです。例えば、六本木三丁目の総事業費は408億円で、補助金割合は2.28%、三田小山町東地区の総事業費に対する補助金割合は7.57%、虎ノ門・六本木地区の補助金割合は3.49%と、本当にわずかなのです。補助金がゼロの再開発事業があったことはご存じのことと思います。補助金を目当てに事業を行うのではなく、はるかに上回る収益があるからです。これまで区内では12の再開発事業が完了し、9事業が事業中ですが、破綻したものはありません。再開発事業をどのようにするかは、再開発組合に加入している人たちが責任を持つことであり、資金面についても同様です。中心企業が資金面でも責任を持つべきです。たとえ再開発事業が破綻しても、区が負債を負わなければならない理由はありません。また、事業を代行しなければならない理由もありません。 ○委員(杉浦のりお君) 私からは以上です。 ○委員長(池田こうじ君) 杉浦委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(池田こうじ君) 次に、池田たけし委員。 ○委員(池田たけし君) 私は民生費につきましてお伺いいたします。民生費につきましては、修正案では、原案より35億400万円余りの増額となっております。この財源の確保についてはどのようにしていくのか、また、修正案全般的に金銭給付的な予算の使い方について不安の残る内容であると申し上げて、質問をいたします。  最初に、心身障害者福祉手当の支給拡大についてです。精神障がい者やその家族の多くが自治体に求めている支援、それは、安心して生活が送れる住居の確保や、就労によって社会復帰をすること、また、社会参加をしていくこと、自立への支援などです。将来にわたって、今いる地域で安心して生活を継続させていくことが可能となる住居や就労の支援であり、それらの要望に応えていくことが必要であると思います。これが本人や家族の思いではないかと思いますが、この点をどのように捉えておりますでしょうか。 ○委員(風見利男君) 冒頭、質問ではありませんけれども、35億400万円余の増額の財源確保をご心配されているようですので、一言述べておきたいと思います。予算要求資料の16番目に不用額の資料がありました。2015年度決算での不用額は58億8,700万円余です。皆さんがこの予算修正案にご賛同いただければ、当初予算の段階で十分組み込むことは可能だということ、また、基金がたくさんあるので十分可能だということで、質問にお答えしたいと思います。  心身障害者福祉手当の支給拡大についてですけれども、私たちは支給拡大だとは思っていません。支給すべきものを放置していると思っています。池田たけし委員が言われている、精神障害者やその家族が求めている支援は、地域で安心して生活できるよう、ご本人やその家族から希望のある就労や居住の場の確保、これは昨年の決算特別委員会で、私の質問に障害者福祉課長が答えた答弁とよく似ています。私たちはおくれていた精神障害者施策をやるなとは一言も言っていません。おくれている施策をやるのは当然のことです。この手当については毎定例会ごとに質問しているので、池田たけし委員もご存じだと思いますが、港区心身障害者福祉手当条例は、支給対象者を障害者としています。障害者基本法では、障害者は、身体障害者、知的障害者、精神障害者、その他、心身の機能の障害がある者と広く定めています。ところが、港区心身障害者福祉手当条例では、障害者を1、身体障害者、2、知的障害者、3、特殊疾病者、4、その他全各号に準ずる者としています。どういうわけか精神障害者は除かれています。施行規則で、特殊疾病とは、難病指定されているこの4月1日以降は333疾病になります。その他全各号に準ずる者は、脳性麻痺または進行性筋萎縮症となっていますから、精神障害者以外は全て障害者が含まれている、これが手当の対象です。今定例会に毎年難病が追加されることから、条例改正しなくても施行規則の改正で対応できるように条例改正が提案され、池田たけし委員所属の保健福祉常任委員会で審議され、全会一致で可決されています。支給対象者は毎年増え続けるのです。  今まで区は支給しない理由として、保健福祉基礎調査で障害のある方から、地域で安心して生活するために必要なこととして、居住の場の確保、相談支援体制の整備、周囲の人の理解の促進を挙げていますけれども、同じ質問の中で、経済面での支援を求める人が47.1%もいることには全く触れていないのです。同じ調査で、現在あなたが生活の中で困っていることについての回答は、生活費についてが断トツでトップです。1年間の収入調査もやっています。年収200万円未満が60.6%、100万円未満が38.1%です。同じ調査で仕事をしていない理由は、全体の半数、50.9%の方が病気のために仕事ができないと答え、障害が重いためと答えた方が26.6%です。生活が大変、働きたくても働けない方が8割近くもいる。収入も10人のうち6人が200万円未満、区の調査でも生活が大変なことがわかります。精神障害者を排除することは、憲法にも障害者の権利に関する条約にも反しているのです。23区の中で既に7区が実施しています。先進自治体を見習うべきだと思います。この4月から文京区、世田谷区、北区が精神障害者を対象に加えることになりましたけれども、これらの区で、公明党議員団さんはこれに賛成していることが、調査の結果わかりました。精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給する理由を、ぜひご理解いただきたいと思います。 ○委員(池田たけし君) 次に、75歳以上の高齢者の医療費負担をゼロにすることについて伺います。医療費は本来自己負担すべきでありますが、この修正案では区が助成する内容となっています。区では、現在、全世代において人口が増加しております。75歳以上の高齢者の医療費を無料にすることについて、若い世代の意見は十分に聞いているのでしょうか。世代間の不公平を招き、対象とならない区民の理解は得られないと考えますが、いかがでしょうか。 ○委員(風見利男君) 医療費は自己負担とすべきという考えには同調できません。池田たけし委員はお若いのでご存じないかもしれませんが、国の制度として70歳以上の医療費が無料だったことがあります。発端は、岩手県沢内村ですけれども、全国的に運動が大きく広がり、東京に革新自治体が誕生し、1969年12月、70歳以上の医療費無料化を実施したことが活気となり、その後数年を経ずして革新・保守を問わず8割を超える地方自治体で老人医療費の無料化を実施するようになりました。これが自民党政府を追い詰めて、1973年1月1日から国の制度として70歳以上の医療費無料制度が始まりました。海外では多くの国が医療費そのものを無料にしています。もともと消費税を導入する際に、福祉のためと言いながら、福祉に使われていないことが明らかになっています。本当に福祉に使う姿勢があれば、高齢者の医療費を全国的に無料にすることができるのです。残念ながら、国がやらないから、住民に一番身近な自治体が実施するのです。長年日本の発展のために頑張ってきた高齢者に、長年よく頑張ってこられましたね、きょうからは医療費を気にすることなく、悪くならないうちにお医者さんに行ってくださいねという、これが本来政治がやるべきことだと私は思っています。若い世代もいずれ高齢者になります。そのときに医療費が無料であれば、その制度のありがたさを感じると思います。ご理解いただきたいと思います。 ○委員(池田たけし君) 最後に18歳までの医療費助成について伺います。区では、18歳までの医療費無料について、現在、子ども医療費助成として、中学校終了前までとあわせ、ひとり親家庭等医療費助成として18歳までの児童のいる一定の所得限度額以下のひとり親家庭に対し、児童と保護者の医療費の自己負担分の助成を行っています。これによって支援としては一定の水準のサービスを行っていると考えられます。満18歳まで無条件で助成を行うことは、財政資源の適正配分を超えると考えますが、いかがでしょうか。 ○委員(風見利男君) 18歳までの医療費助成についてですけれども、これは新日本婦人の会の請願をきっかけに乳幼児の医療費の助成が始まり、徐々に対象が広がり、現在のように中学3年生までの医療費が無料になりました。区民の運動と私たち日本共産党港区議員団の頑張りの結果だと思っております。池田たけし委員はよくご存じだと思いますけれども、ひとり親家庭の医療費助成制度は、東京都ひとり親家庭問題検討委員会が、ひとり親家庭の問題に関する福祉施策のあり方の報告書を提出し、その中で医療費助成制度の実施について提言を行いました。それを受けて23区が同時に実施したものです。財政調整基金算入もされており、港区独自の施策ではありません。一定のサービスがされていると言いますけれども、高校生に対する区の施策はほとんどありません。この間、高校授業料の無償化を理由に、16歳から18歳の所得税の扶養控除の上乗せ部分が削除されたままです。児童福祉法では18歳までを児童と規定しています。高校生の年代には、行政の支援・手だてが一番薄くなっています。受験のための塾などの費用、通学交通費等々、高校生を抱える家庭の出費は大変です。全国の自治体でも18歳までの医療費無料制度が広がっています。千代田区では、2011年4月から18歳までの医療費を無料にしました。北区は、入院費ですけれども、これを無料にしました。千代田区でも、北区でも、公明党議員団さんは賛成したのではありませんか。千代田区でできて港区でできない理由はありません。ぜひ、港区で実施するようにご理解いただきたいと思います。 ○委員(池田たけし君) 質問を終わります。 ○委員長(池田こうじ君) 池田たけし委員の発言は終わりました。  これにて平成29年度港区一般会計予算に対する修正案、平成29年度港区国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び平成29年度港区介護保険会計予算に対する修正案の質疑は終了いたしました。  以上をもって一般会計予算国民健康保険事業会計予算及び介護保険会計予算の審議は終了いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) これより総括質問を行います。  初めに、自民党議員団を代表して、清原委員。 ○委員(清原和幸君) 自民党議員団を代表して、武井区長、青木教育長に総括質問をいたします。  質問に入る前に、一言申し述べさせていただきます。今から72年前の昭和20年3月10日に東京を襲う大空襲があり、多くのとうとい命が奪われました。ここにお亡くなりになられた方々に慎んで衷心より哀悼の意を表します。そして、6年前、平成23年3月11日は、東日本を襲う大地震が起こった日です。震災によりお亡くなりになった方々に慎んで衷心より哀悼の意を表します。また、今なお、避難生活を送っている方々の1日も早い復旧を慎んでご祈念申し上げます。  さて、我が国の経済の状況は、政府が2月に発表した月例経済報告で、国内景気の基調判断を、一部に改善のおくれも見られるが、緩やかな回復基調が続いていると示しております。区の状況は、区独自で行っている港区景況調査から見ますと、景気が上昇しているとは言いがたい状況です。しかしながら、来年度の区の歳入は、人口増や所得増により特別区民税収入が前年度比31億円増の666億円と、当初予算額として計上されております。このことから、消費の財布のひもが依然としてかたく、所得増が景気に反映されていない状況が伺えます。また、平成28年度の国民負担率は前年度より0.5%減の43.9%と見込まれていますが、この数字も要因の1つかもしれません。  さて、武井区長は、昨年6月の港区長選挙で、3万人を超える区民の信託を得て見事に4期目の当選を果たされました。そして、当選後の第2回定例会での施政方針では、「選挙の期間中、多くの子育て世代や高齢者の方々などから、施策のさらなる充実を望まれる声をいただき、改めて区政への関心の高さと大きな期待を寄せていただいていることを実感いたしました」と述べられました。「皆様の期待に応えるべく、参画と協働を基本に、区民の誰もが安全・安心に、夢と希望を持って暮らせる、躍動感に満ちた活力ある港区を目指し、渾身の力で、区政運営のかじをとってまいります」。そして結びでは、「私はこれからの4年間、区民の皆様の暮らしに寄り添った区政運営に誠心誠意取り組んでまいります」と力強く決意のほどを述べられております。  また、区長は、平成28年7月21日に決定した平成29年度予算編成方針では、区を取り巻く環境、財政の見通しと予算編成の目標、予算編成の基本方針、予算編成の重点施策を示して、区民の誰もが安全・安心に、夢と希望を持って暮らせる躍動感に満ちた活力ある港区を実現するための予算として編成するとまとめられております。  それでは、区長が当選後初めて編成されました、平成29年度港区一般会計予算1,661億円、国民健康保険事業会計予算282億円、後期高齢者医療会計予算53億円及び介護保険会計予算168億円への総括質問をいたします。行財政運営について、かがやくまちづくりについて、にぎわうまちづくりについて、はぐくむまちづくりについて、順次お尋ねいたします。  最初に、港区の人口が30万人を超える10年後の区政についてです。港区の人口は2月15日に25万人を超えました。転出する方を上回る年間2万人を超える方々が転入され、特に20代、30代の方が多いとのことです。港区人口推計は、港区政策創造研究所が毎年調査を行い発表しております。人口推計は社会や経済状況の変化などの要因により困難を要します。しかし、将来の計画を立案するためには欠かすことのできない指標となります。人口推計によりますと、10年後の平成39年1月1日の総人口は約30万3,000人、年齢3区分別の人口は、年少人口が約10,200人増の約4万2,700人、生産年齢人口は、約3万7,400人増の約21万1,000人、老年人口は約5,900人増の4万9,100人と推測されております。その構成比はおおむね現在と同様です。老年人口は前期高齢者人口と後期高齢者人口に分けると、現時点では前期高齢者人口の方が多いのですが、後期高齢者人口は、平成31年に前期高齢者を上回り、平成39年には約6,700人増の約2万8,000人と見込んでおります。  そこで、この結果から、区長は、将来を見据えて新たな特別養護老人ホームの新設や、地域包括ケアシステムの構築に向けての取り組み、また、保育園の整備や学校の新設など、各世代が必要とする支援策や施設の整備に取り組んでおられます。区長が描く10年後の港区についてご所見を伺います。  次に、今後の財政運営についてです。区はこれまでも中・長期的な視点に立って港区財政運営方針を策定し、磐石な財政運営に努めてきていますが、地方交付税や、都区財政調整交付金の普通交付金が不交付となっており、特別区民税などの一般財源に大きく依存せざるを得ない財政構造にあります。また、特別区民税収入、並びに国民健康保険料の収入を確保するために収納率向上に取り組むとともに、各種の事業を計画的に推進するために基金を設置しております。そのほかにも、国や東京都の制度による補助金や助成金を活用して、区民生活の向上に資する事業を推進しておられます。港区の人口は毎年約5,000人の増加が見込まれ、児童福祉法や老人福祉法などで定められた扶助費の増加により、義務的経費の増加を招くことにつながります。このように、将来を見据えた財政運営を努めるにあたり、区長の財政運営に取り組む姿勢について、ご所見を伺います。  次に、震災復興基金について伺います。区長は、震災被害から1日も早く区民の生活を再建し、産業、まちの復旧・復興を迅速に実現することは、区民に最も身近な自治体の責務と認識して、平成34年度末までに震災復興基金を1,000億円確保すると発表され、来年度予算に計上されました。基金の活用の基本的な考え方は、災害発生後、応急対策期から迅速に活用すると予算概要に示されております。私は、1,000億円とお聞きして、金額が妥当であるのかどうかわからないため、区内の区の道路橋りょうと区道について調べてみました。道路橋りょうは31橋で、道路面積は約186万平方メートル、延長は22万3,000メートルです。橋などは耐震補強が進み大きな被害はないと思われますが、仮に想定外の地震が起きた場合など、大きな被害を受けてつくり直すとなると、改修費用は、試算によると道路橋りょうが202億円で道路は545億円です。合わせて747億円になります。そして、道路と道路橋りょうの改修費を調べた理由は、1日でも早く復旧・復興に向けて取り組むためには、工事車両などが通行する道路の確保が必要不可欠なためです。震災発生後は道路などのインフラの復旧にとどまらず、被災者の救助活動や避難所の開設・運営に始まり、区民の生活再建、区内中小企業の支援など、膨大な費用が震災からの復興に必要です。そのため、区の財政が健全なときに自然災害等の突発的な事態にも柔軟に万全に対応できるように備えておくことは重要なことです。これらのことからも、基金を1,000億円積み立てることが理解できます。しかしながら、年少人口から老年人口までのあらゆる世代で人口が増え続けていく状況から、今、目の前にある課題に迅速かつ的確に対応していくことがおろそかになってはなりません。  そこで、改めて、現行の区民サービスの低下を招かないように震災復興基金を積み立てていただきたいと思います。区長のご所見を伺います。  次に、財政調整基金の活用目的と適正な残高についてです。予算では、震災復興基金への積み立てに際して、財政調整基金を335億円という、これまでにない規模の額を取り崩す予算としており、繰入金が大幅に増加しています。平成27年度末には676億円ほどあった財政調整基金の残高は、今回の取り崩しにより約388億円と6割弱まで減ることとなります。  そこで、今後は財政調整基金はどのようなときに活用されるのか。そのために確保しておくべき適切な残高をどのように考えておられるのか。区長のご所見を伺います。  次に、港区地域防災計画の改定についてです。現在、区では、熊本地震を教訓として、港区地域防災計画の見直しに取り組んでおります。災害で区民が生命を失うことがないように、また、被害が最小限にとどまるように改定されることを期待しております。  発災時に的確な行動をとるためには、正確な情報を入手しなければなりません。そのため、区は、緊急情報を伝えるために、防災行政無線、防災情報メール、防災アプリなどを活用し情報を提供しております。加えて、平成29年1月からは280メガヘルツ帯の防災ラジオをCATV回線が未整備な台場地区及び聴覚障害者の方々に配付するなど、情報提供体制の確立に努めております。  防災対策については、港区防災会議に女性の委員を加えて、女性ならではの視点でさまざまな意見や要望が出されていることと思います。これらの意見を集約して、大切なことや必要な物資の備蓄など早急に対応していただきたいと思います。防災対策については、自助、言いかえれば日ごろの備えの重要性を、区は区民に説いています。しかし、実行されている区民はどれほどなのかわからないため、何度も繰り返して説明していただきたいと思います。  発災時に区民がとる行動についてですが、理解不足や徹底が図られていないため、正確な避難行動がとれるのか心配なときもあります。不測の事態を招かぬためにも避難行動を確認しておくことも大切です。避難所へは、被災者や地域住民が情報などを得るために集まります。そのため、避難所の生活衛生環境の確保の重要性を再度啓発していただきたいと思います。  また、区は、高層住宅の居住者に対して、高層住宅等の震災対策について訪問啓発をするとのことですが、一人でも多くの人に理解していただけるよう、今後も引き続き普及啓発に取り組んでいただきたいと考えます。  港区地域防災計画の主な改正点について、区長のご所見をお伺いします。  次は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた交通安全対策についてです。ことしの新年会での愛宕警察署長の挨拶によると、港区では、今、多くの開発が進行しており、これに伴う工事車両が大幅に増加しているため、開発に伴う工事車両の交通量や工事車両導線について、交通管理者である警察署が事前に協議を行うとともに、安全を最優先して指導を行っているとのことでした。しかし、指導のみでは限界があるため、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を控えた現在、そうした工事車両の増加に対応した対策を強化していくという趣旨のお話をされていました。  来月は、いよいよ新入生を迎える時期となるわけですが、小学1年生の事故が多いという統計上の数字があります。公益財団法人交通事故総合分析センターのレポートによると、全国での話になりますが、平日の交通事故死傷者数の年齢別ピークは7歳児にあり、その後年齢が上がるにつれ急速に減少し、次にピークが来るのは65歳以上となっているとのことです。  港区では、子どもから高齢者に至る全ての年齢階層で人口が当面の間増加していくと推計されており、さきに述べた工事車両が増加することと相まって、ここ数年の間は危険な状態が続くのではないかと懸念しています。  港区基本計画の「かがやくまち」では、基本政策の1つとして、都心の活力と安全・安心・快適な暮らしを支えるまちをつくるとしており、まさに土地利用転換による都心の活力と快適な暮らしの実現を図りながら、同時に適切な交通安全対策による区民の安全・安心を確保していただきたいと思いますが、区長のご所見を伺います。  次に、町会・自治会への支援についてお伺いいたします。町会・自治体は、まちのコミュニティの中核を担い、区が実施する多くの事業にかかわっています。町会・自治会の活動が活発化することは、港区の発展に直接寄与すると言っても過言ではありません。しかし、さまざまな状況のもとで、区内の町会運営には少なからず困難さもあります。特に小規模・中規模の町会運営が厳しくなっています。先日ある小規模の町会の方々からお話を伺う機会がありました。この場には与野党の議員がおりました。町会の方は、小さな町会だけど、いろいろな行事や区の催し物の参加など、固定的にかかる費用が結構あり、町会のお金はぎりぎりの状態でやっていると話していました。  町会・自治会への区の現行の補助はさまざまありますが、一般的な団体活動に使える補助金は、会員数50人までが11万1,500円、51人〜100人が13万円というように、50人増えるごとに1万8,500円加算されます。小さくても大きくても1つの町会として最低限必要な固定的とも言える経費があります。例えば、防犯や防火の関係機関や他団体との連携・協力、また、防犯パトロールや地域のイベントなどで使用するテントや他の備品・消耗品類などです。  自主的・自立的な地域コミュニティ団体である町会・自治会は、会費収入で運営されることが基本ですが、その役割の重要性から、区との協働の重要なパートナーとして区が支援しているわけです。もちろん、経費負担だけでなく、活動を担う役員の高齢化などによる人材不足など深刻なものがあります。こうした町会・自治会の実態については、多くの会派が共有する認識だと思います。  そこで、中小の町会に対して、しっかり地域活動が行えるよう、区の発展にとって重要な役割を担っている町会・自治会の運営を支援するためにどのように取り組まれるのか、区長のご所見を伺います。  次に、企業間連携についてです。平成29年度予算特別委員会における産業経済費の審議では、来年度の中小企業振興施策として、海外市場にも視点を置いた販路拡大支援とともに、東京都立産業技術研究センターを利用して、新たな製品や技術を生み出そうとする区内中小企業の試みを支援するとの答弁がありました。中小企業事業者であった私にとりましても、この区の取り組みは大変すばらしく、区内産業の発展のために大きな後押しになるものと評価いたします。区内中小企業の皆さんも、この新たな支援制度を積極的に活用していただき、みずからの可能性に果敢にチャレンジしていただきたいと願ってやみません。  さて、今月2日、ある事業がみなとパーク芝浦のリーブラホールで実施されました。タイトルは平成28年度港区企業間連携支援事業、サブタイトルは人工知能が拓く新ビジネス創出セミナー2017と題したものです。開催案内のチラシには、第4次産業革命の中核と言っても過言ではない人工知能の活用有無こそが、企業の成長力の差別要因になりつつあるとあり、発表を行う9つの企業のテーマは、人工知能分野におけるオープンイノベーション・ハブ拠点の形成について、人工知能による対話型アシスタントプラットホームなど、いずれも最先端の技術であろうと思われますが、人工知能に関するかなり難解で高度なテーマを扱っているものばかりです。
     当日は、150名以上の参加者が各発表に熱心に聞き入り、セミナー後の懇親会でも積極的に名刺や情報の交換を行うなどしていたとのことです。正直申し上げて、区がこれほど高度なレベルで企業間を取り持つ事業を実施している認識はありませんでした。  私も、人工知能の話は去年聞いたのですけれども、同じものがあってどちらを選ぶかとか、また、やはり女性は、赤ちゃんの声を聞き分けるとか、いろいろなお話を聞いたのですけれども、なかなか難解でした。  区では、この港区企業間連携支援事業を年に4回実施しており、本年度は、他社が開発した技術や特許を活用する技術開発、いわゆるオープンイノベーションの推進や、IoT、いわゆるもののインターネット化といった、まさに最先端のテーマを取り扱ったセミナーを開催し、各回とも100名から150名の参加があったとのことです。  新たな技術開発への投資や拡大が、中小企業、ベンチャー企業にとって自己の事業の成長へのカギとなりますが、近年の技術や製品の高度化・多様化を背景に、付加価値の高い製品開発や事業を生み出していかなくては、厳しい競争を勝ち残っていくことはできません。これまで社内完結型の研究開発を行ってきたであろう多くの中小企業が、企業や業種、また産学官といった枠組みを超えて、人材やノウハウを交流するこの取り組みは、新たな企業間・産学官連携を実現するための橋渡しとして、大変重要なものであると改めて考えます。  そこで、企業間連携を区が積極的に進めるその意義と今後の展開について、区長のご所見を伺います。 ○委員長(池田こうじ君) 清原委員の質問の途中ですが、間もなく午後2時となりますので、ここで休憩といたします。自席にてお待ちください。                 午後 1時58分 休憩                     (黙とう)                 午後 2時01分 再開 ○委員長(池田こうじ君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  自民党議員団総括質問、清原委員の質疑を続行いたします。 ○委員(清原和幸君) それでは、続けて質問いたします。  次は、観光振興支援についてです。東京では、世界的規模の一大イベントであるラグビーワールドカップ2019日本大会が、翌年には東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。  港区は、羽田空港や成田空港と直結しており、まさに東京の玄関口です。したがって、国の内外から多くの観光客が港区を訪れることが予想されます。この恵まれた環境を存分に生かして、満足した観光客がリピーターとして何度でも港区を訪れていただくために、観光客のニーズに対応した受け入れ体制の構築が求められております。区では、多くの方々に観光に来てもらうために、また、観光客に対して港区を紹介するために、港区ワールドプロモーション映像を制作して積極的に放映して、区の魅力を発信しております。  訪日外国人の受け入れ環境整備には、多言語対応の改善・強化、情報通信技術の活用、国際観光都市としての標準的なサービスの導入、多様な文化や習慣に配慮した対応、安全・安心の確保の5つの視点があります。外国人旅行者が満足する環境の整備は重要です。そのために区は、外国語対応可能な観光ボランティアの育成に取り組み、インターネットなどを活用して情報を発信し、多言語による観光マップや季節のテーマに応じた観光情報誌等を作成し、多くの旅行者などが利用する鉄道主要駅等で周知に努めています。  さて、喫緊の課題は、無料Wi−Fiの整備です。東京都では昨年度から、公園、庭園、文化・スポーツ施設での整備を進めています。また、利用手続の簡素化も必要です。スマートフォンの機能の進化により、通訳機能の多言語化が充実しつつあります。GPSでの現在位置の把握、そして、観光情報や災害時の緊急情報の受信などこれらを一元的に搭載できるWi−Fiの普及により、東京に訪れる外国人の満足度向上を目指しております。  区も昨年9月からMinato City Wi−Fiのサービスを開始しておりますが、今後の取り組みについて区長のご所見を伺います。  次に、待機児童解消に向けた取り組みについてです。区は、子育ての費用が若い親世代に重い負担となっているため、公的支援が必要な状況になっているとの認識に基づいて、区独自の出産費助成や保育料の第2子以降の無料化などの支援策を実施しております。これらの事業が功を奏したため、平成27年の区の合計特殊出生率が全国平均の1.45に迫る1.44という23区で最高の数値になったのではないのでしょうか。  加えて、昨年の区への転入者は2万人で、特に20歳代、30歳代が多いとのことですが、子育てするなら港区が浸透しているからなのではないかと思います。区は、保育の需要に応えるためにさまざまな手だてを講じておりますが、解消に至らない状況です。平成29年4月に向け、区立認可保育園分園の開設や、私立認可保育園の誘致などにより、保育定員を298人拡大し、合計7,304人の保育定員を確保しました。一方で、平成29年4月の入園の1次申込者数は2,217人となり、昨年より92人多くなり、保育需要が拡大していることがうかがえます。  そこで、保育の需要を満たす定員の確保策、並びに今後の保育施設の整備に向けた取り組み、そして、入園できない方々への支援策について、区長のご所見を伺います。  次に、地域包括ケアシステムにおける医療介護連携推進事業についてです。これから日本の高齢化がより進んでいく中で、艱難辛苦を乗り越えてきた高齢者の方々が社会の中で尊敬され、みずから尊厳を守り、住み慣れた地域社会の中、健康で生きがいを持った生活が送れる環境づくりは、区政にとっても重要な課題だと認識されております。都心港区の特性としてひとり暮らしの高齢者が多く、健康づくりや生きがいづくり、介護予防、在宅福祉サービス等の充実が求められております。区は、高齢者のために、いきいきプラザや介護予防センター、小規模多機能居宅介護施設、認知症高齢者グループホーム等の整備や、ふれあい相談員等による日々の見守り、生活支援にも取り組んでいます。  現在、区では、高齢者が住み慣れた地域で安心して在宅の生活を送るため地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいます。再来年度の本格実施に向け、来年度は赤坂地区で先行されます。区が、構築のために担当課を設け、全庁を挙げて積極的に取り組んでいることは承知しています。しかし、さまざまな分野との連携を図らなければならないため、多くの課題が生じ、課題解決には多くの時間が費やされます。これまで、各機関との話し合いが行われ、互いに課題は認識されていると思います。話し合いは1年を経過しており、そろそろ率直な意見の交換ができるのではないでしょうか。  そこで、地域包括ケアシステムにおける医療介護連携推進事業について、赤坂地区で先行実施されますが、高齢者に対して、どのような支援体制で臨まれるのでしょうか。また、本格実施に向けて、現在どのような調整事項があるのでしょうか。区長のご所見を伺います。  次に、文化芸術振興策についてです。都市の成熟度を図るには、その都市の文化芸術の振興度が1つのバロメーターと言えると思います。港区では、学校教育においても伝統文化の伝承をしっかりと取り入れていたり、全体としても、平成28年度は、新支援策として港区文化プログラム連携事業を行うなど、全国的にも希有な振興策支援を行い、積極的な姿勢がうかがえます。  そこで、港区の文化芸術振興策は非常に高いレベルにあると言えると思いますが、その民間支援に対する実績や成果について伺います。  次に、(仮称)文化芸術ホールについて伺います。近い将来、港区の、もしかすると日本の文化芸術振興における中核地となるであろう、(仮称)文化芸術ホールの準備・検討状況と、区長のホールへの思いについて、区長のご所見を伺います。  次に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みです。昨年の夏、ブラジルのリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会は、世界中に夢や希望、そして感動を届けて、成功裏に幕を閉じました。我が国の選手たちも皆、卓越した技量を披露し、すばらしい成績をおさめました。次回は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会です。東京には、多くの外国人が観戦や応援に訪れます。区としても、くつろいで滞在していただくために、「おもてなし」ができる環境の整備に全庁を挙げて積極的に取り組んでいただきたいと思います。区民の中には、もてなしたいと思っているが、連絡先や行動の方法などがわからない方もおります。区がこの方々に向けて奉仕活動に関する情報などを積極的に提供されることを望みます。  さて、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のトライアスロン競技がお台場海浜公園で行われることを受けて、お台場学園港陽小学校・港陽中学校、御成門中学校は、ボランティアマインドの醸成に重点的に取り組む学校として、東京都の平成28年度オリンピック・パラリンピック競技大会教育重点校の指定を受けました。今後、この取り組みが区内の全校で推進されることを望んでおります。  また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が3年後に迫り、特に、中学生はスポーツに強い関心を示しております。この機会にスポーツ環境の整備、改善に取り組むべきと思います。また、区民の誰もが身近な場所でスポーツを楽しむことができる環境を整え、スポーツを「する」「みる」「支える」文化が根づくよう、取り組んでいただきたいと思います。  オリンピックの精神は、スポーツを通じて文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献することです。大会の成功に向けて、東京都や公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会を支援していくことが重要と考えます。そこで、港区の協力する体制について、区長のご所見を伺います。  次に、心の教育についてです。  教育委員会では、平成26年10月に港区教育ビジョンを策定し、港区総合教育会議にて港区の教育大綱として位置づけられました。港区教育ビジョンでは、「徳」・「知」・「体」を育む学びと示されており、特に「徳」が最初に記載されていることが港区の特徴であると認識しております。これは、平成25年度の区政モニターアンケートの集計結果から、どんな子どもに育ってほしいかという問いに対して、「思いやりや優しさのある子ども」が最も多かったからであると聞いております。また、子どもの教育で重要なこととして、「社会のルールやマナーの規範意識の醸成」を上げた区民は80%を超えているとのことです。このことから多くの区民が心の教育の充実を望んでいることがわかります。  そこで、現在、港区立の小・中学校では、心の教育をどのように進めているのでしょうか。教育長のご所見を伺います。  次に、国民健康保険事業会計についてです。  予算案では収入歩合が85%と算出されております。また、港区が保険者でありまして、納付されていない金額がございます。今度広域連合になったときに、そういうものが区が立てかえると言いますか、支払うのかなということがありますけれども、来年度から広域連合となるとのことなので、お話だけさせていただきます。  また、ふるさと納税制度などの影響があるかと思いますけれども、区長は特別区長会の副会長をお務めでございますので、折あるごとに影響などを調査していただいて、伝えていただきたいと思います。  それから、後期高齢者医療会計及び、介護保険会計についてですけれども、給付を引き下げるためには、健康寿命を延ばしていくことが大切なことだと思います。今後、定期的に健康診断を受診したり、皆様が引きこもらない、閉じこもらないで、公園とか、健康増進の施策展開に努めていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての清原和幸委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、行財政運営についてのお尋ねです。  まず、10年後の港区についてです。私は、区民の日々の暮らしに密着したサービスを提供する区の役割と責任を果たすために、区民の皆様、区議会の皆様とともに、地域の課題解決に取り組んでまいりました。さらに企業や団体、全国各地域との連携を深め、時代に沿ったきめ細かな施策を展開しております。10年後には、全ての世代の方々が安心して暮らし、港区がさらなる活気とにぎわいで満ちあふれている姿を目指し、多様な主体との絆を生かした区政運営を推進してまいります。  次に、今後の財政運営についてのお尋ねです。区の人口は、本年2月15日に昭和38年以来、54年ぶりに25万人を突破いたしました。今後もあらゆる世代で人口の増加が見込まれています。また、JR東日本や東京メトロなどの新駅開業など、新たなまちづくりへ的確に対応するとともに、首都直下地震に伴う突破的な財政需要への備えにも確実に対応した、積極的・戦略的な財政運営を推進していく必要があります。そのため、これまで以上に積極的に歳入を確保するとともに、不断の内部努力の徹底による歳出の節減に取り組み、将来にわたって持続可能な財政基盤を堅持してまいります。  次に、震災復興基金の積み立てと、直面する課題への対応についてのお尋ねです。基金の積み立てにあたりましては、景気の変動に伴う区財政への影響に配慮しつつ、区民サービスに影響を及ぼすことがないよう、毎年度の歳入歳出の状況に応じ積み立て、目標を達成するよう努めてまいります。そのため、歳入確保に努めるとともに、歳出においては、スクラップ・アンド・ビルドの原則を徹底し、施設整備に際しての投資的経費の抑制や、経常的経費の節減に努め、簡素で効率的な区政運営を行ってまいります。こうした取り組みにより、将来の課題に備えるとともに、港区としてのサービスを維持し、待機児童解消など現在直面する緊急課題にも迅速かつ積極的に対応してまいります。  次に、財政調整基金の活用目的と適正な残高についてのお尋ねです。財政調整基金は、経済事情の変動による一時的な財源不足や、大規模な建設事業などに活用することとしております。平成29年度予算では、震災復興基金への積み立てなどの財源として335億円を取り崩し、活用いたします。基金残高につきましては、港区財政運営方針において、過去の特別区民税の減収局面などの経験から、標準財政規模に比べまして5割以上を確保することとしております。平成29年度末においても目標水準を確保する見込みです。今後も計画的な基金の積み立てや効果的な活用に努めてまいります。  次に、かがやくまちづくりについてのお尋ねです。  まず、港区地域防災計画についてです。このたびの港区地域防災計画の修正は、関係法令の改正や熊本地震の教訓を取り入れ、今日的な内容としております。主な修正内容は、避難勧告などの発令基準の周知、280メガヘルツ帯防災ラジオの整備など、情報伝達体制の整備、物資の集積、仕分け、輸送方法やペット対策、福祉避難所での介護サービスなど、支援の強化を含めた避難所運営、避難行動要支援者の安否確認や妊産婦、乳幼児、外国人への支援、さらに港区の特性を踏まえた帰宅困難者対策や高層住宅の震災対策、風水害対策、他自治体との協力体制の充実などについて補強しております。  次に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた交通安全対策についてのお尋ねです。先月公表いたしました第10次港区交通安全計画では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした交通安全対策を区特有の重点課題としております。道路交通環境のユニバーサルデザイン化や、わかりやすい表示看板など、交通安全に留意した道路環境の整備を推進いたします。さらに、区内警察署と連携し、貨物自動車などの工事関係車両が関与する交通事故を防止するための取り組みを推進してまいります。子どもから高齢者まで、誰もが安全で安心して通行することができるよう、より一層の交通安全対策を推進してまいります。  次に、にぎわうまちづくりについてのお尋ねです。  まず、町会・自治会への支援についてです。区は、町会・自治会の活動支援に向け、地域で活動されている方々や学識経験者の意見を伺いながら、活動内容などに応じた補助制度や、有効な加入促進策などを引き続き検討しております。さらに、平成29年度から、町会・自治会などの地域コミュニティに係る担当組織を設置し、各地区総合支所に対する支援部機能をより一層強化してまいります。今後とも、地域コミュニティの中核であり、人の協働の重要なパートナーである、町会・自治会の支援に取り組んでまいります。  次に、企業間連携についてのお尋ねです。企業間連携支援事業は、多種多様な事業者、大学や研究機関が数多く集積している区の特色を生かし、大学や他企業と連携して、新しい製品の開発や技術革新に取り組む区内中小企業に、区が情報及び交流の場を提供するものです。大企業や区外からの参加も多数あり、新規性・市場性の高い新たなビジネスモデル展開のきっかけともなっており、参加した企業同士が連携して共同の製品開発や事業実施などの成果も上げております。今後も、時代に即した最先端のテーマを積極的に取り扱い、区内中小企業の技術革新や新製品の開発を促進することで、地域産業全体の活性化に取り組んでまいります。  次に、訪日外国人受け入れのための公衆無線LANの整備についてのお尋ねです。Minato City Wi−Fiは、日本語、英語、中国語及びハングルの4カ国語に対応し、区を訪れる外国人観光客にも利用いただくことができます。3月中にこれまでの12カ所のアクセスポイントに加え、新たに新橋駅前などの計7カ所での整備を予定しております。今後も、外国人観光客にも便利に利用いただけるよう、東京都や民間事業者が既に公衆無線LANのサービスを提供している地点や計画する場所を除いて、効率的・効果的に必要なアクセスポイントを整備してまいります。  次に、はぐくむまちづくりについてのお尋ねです。  まず、待機児童解消に向けた取り組みについてです。区では、本年6月に(仮称)五色橋保育室の開設、また、平成30年度に区立港南緑水公園内への私立認可保育園の誘致、平成31年度に(仮称)区立元麻布保育園の開設を目指し、約400人の定員拡大を計画しております。さらに、現在の保育園の申し込み状況を踏まえまして、引き続き国や東京都に要請するとともに、全庁を挙げて活用できる未利用の区有地や区有施設の活用を検討するとともに、宅建業界や商工団体、商店街、金融機関などに対して、保育施設に適した物件の情報提供を働きかけ、さらなる保育園の定員拡大に取り組んでまいります。なお、入園できない方への支援につきましては、本年4月から設置いたします保育コンシェルジュが個別の状況に応じた情報提供などを行い、丁寧に対応してまいります。さらに、定員の弾力化や居宅訪問型保育事業などによる定員の拡大についても、今後の待機児童の状況を注視しながら検討してまいります。  次に、地域包括ケアシステムにおける医療介護連携推進事業についてのお尋ねです。高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、在宅療養中の高齢者が一時的な入院が必要なときに、速やかに入院できる後方支援病床を確保するとともに、在宅医療・介護に関する専門的な相談に対応する窓口を設置してまいります。さらに、医療・介護関係者の研修会の実施や、関係者間での情報共有などにより、在宅療養生活が円滑に行われる体制を構築してまいります。高齢者が安心して在宅療養生活を送っていくためには、地域の病院や診療所、歯科診療所、薬局、介護事業者などの多職種が、切れ目なく連携して高齢者を支えていく必要があります。そのため、今後実施する研修の場での多職種間の意見交換や課題の共有など、顔の見える関係づくりを積み重ね、より安定した連携支援体制が構築されるよう取り組んでまいります。  次に、文化芸術振興策についてのお尋ねです。区内の文化芸術活動団体への支援の1つとして、平成28年度から、7団体と連携して港区ならではの文化プログラムを開始いたしました。子ども専用の1日美術館や、国際的なダンスパフォーマンス、障害者パフォーマンスなどが行われ、多くの区民が鑑賞し、参加しました。こうした多様な文化芸術団体との連携を通じて、区内の文化芸術及び国際文化交流の発展はもとより、東京2020大会開催へ向けた気運醸成、さらには、文化芸術を通じたレガシー創出に向け新たな取り組みを展開しております。  次に(仮称)文化芸術ホールについてのお尋ねです。(仮称)文化芸術ホールは、浜松町二丁目C地区再開発準備組合において、現在基本設計を進めており、隣接するA・B街区と連携して、国際交流機能などを掲げた浜松町駅前のまちづくりを一体的に進めております。文化芸術ホールにつきましては、全ての区民を対象に文化芸術の鑑賞、参加、創造活動を総合的に提供しながら、港区ならではの活動を国内外に発信していく、国際性を持った区の文化芸術振興の中核拠点にしてまいります。また、使いやすく、区民から愛され、親しみのある、区民が誇りに思える施設として整備してまいります。  最後に、東京2020大会に向けた協力についてのお尋ねです。区では、東京2020大会開催に向けた気運醸成、バリアフリー対策、事前キャンプの誘致、小・中学校におけるボランティア教育など、さまざまな取り組みを主体的に実施しております。現在、東京都と公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から、区に対して、公式練習会場の提供に関する協力を求められておりますが、今後は競技会場がある自治体として、会場周辺の暑さ対策や多言語対応など、より多くの協力をする必要があります。区は、本年4月にオリンピック・パラリンピックを推進するための専管組織を設置し、全庁挙げて、区民をはじめ、国内外から訪れる多くの方々が東京2020大会を楽しむことができるよう、大会成功に向けた東京都及び組織委員会への支援・協力を積極的に行い、将来のまちづくりにも役立ててまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表しての清原和幸委員の総括質問にお答えいたします。  心の教育の充実についてのお尋ねです。  現在、各小・中学校では、道徳の時間をはじめとして、学校教育全体を通じて心の教育の充実に努めております。具体的には、道徳の時間に公共の場でのマナーについて話し合うほか、学年を超えた交流活動において、下級生への思いやりや上級生への憧れの気持ちを感じさせるなど、道徳的価値に気づかせる学習を行っております。国では、人格の基盤である道徳性を育てることを重視し、次期学習指導要領では道徳が教科化されます。教育委員会では、国に先駆け、来年度から次期学習指導要領が目指している「考え、議論する道徳」を全校で展開し、子どもたちの豊かな心を育成してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○委員(清原和幸君) どうもありがとうございました。  以上で質問を終わります。 ○委員長(池田こうじ君) 自民党議員団の総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(池田こうじ君) 次に、みなと政策会議を代表して、杉浦委員。 ○委員(杉浦のりお君) 平成29年度予算審議にあたり、武井区長並びに青木教育長に、みなと政策会議の総括質問をさせていただきます。  あしたで、あの東日本大震災からちょうど6年となります。6年前もたしか予算特別委員会の土木費の審議中で、あの大きな長時間の揺れにおののいたことは、今でも忘れることはできません。我々ですらそのような状況にありましたので、現地で被災された方々の恐怖ははかり知れません。被害に遭われた多くの方に、改めましてお見舞いと哀悼の意を捧げます。  あのとき被災された方々は、今どうしているのでしょうか。再び笑顔を取り戻したのでしょうか。津波に流されて行方不明になった方の家族や親しい方は、今でもどこかで生きているのではないかとふと思うことがあるのではないかと、この時期になると考えてしまいます。  災害は忘れたころにやってくると、昔から耳なれているこの言葉も忘れてしまうぐらい、ほぼ毎日のように全国各地において地震速報が流れ、防災関連の話が尽きることはありません。特に、首都直下地震への備えの取り組みが進められている中、備えあれば憂いなしとも言いますが、何の備えがどれくらいあればよいのか、そこが難しい。区は、区民の生命と財産を守り、安全・安心を掲げ、常に無駄のない効率的な運営を求められております。一般会計約1,661億円、国民健康保険事業会計282億円、後期高齢者医療会計53億円、介護保険会計168億円を、予算編成の基本方針、つまり、武井区長が昨年7月13日に施政方針に掲げた、区民生活の基盤となる安全・安心なまちづくり、平和と人権を尊重し、ともに支え合うまちづくり、港区に住み、働き、訪れる全ての人がまちのルールを守り、心地よく過ごせるまちづくりの3つの区政運営の基本的な考え方に基づき、将来像の実現に向けた施策を積極的に展開していくという内容に沿った予算案になっているのかどうかの最後の質問になりますので、前向きな答弁を期待して、質問に入ります。  初めに、港区政70周年記念事業についてお伺いいたします。  来週3月15日に、港区は70歳のお誕生日を迎えます。今年度は港区政70周年記念事業として3億1,430万円を計上し、現在までにさまざまな事業が開催されました。区が主催するものとしては、70周年記念式典において、新たに名誉区民2名を選定し、表彰しました。また、記念事業の一環として、昭和54年以降40年ぶりに港区史が編さんされます。港区教育史上・下巻も昭和62年以降30年ぶりに編さんされます。区民向けには、港区政70周年記念事業助成金として区分AからCの対象が決定し、70周年をお祝いするイベントが開催されました。助成金額の上限が150万円の区分C、つまり区との共同事業には、わんぱく相撲港区大会実行委員会の第40回わんぱく相撲港区大会の開催、六本木商店街振興組合のキッズフラワー@六本木プラス事業の開催の2件です。  区分B2の上限70万円では3事業、区分B1の20万円上限の事業は5事業の助成が決定されました。  その他、5万円が助成される区分Aは、各地区総合支所で50件を5地区へ250件分1,300万円が予算化されました。現在までに港区主催の70周年事業は83事業開催され、区民などが助成を申請した事業は70件です。  港区内の企業との連携も実現しました。今回の取り組みは、港区政70周年ということを区民に周知できたこと、多くの方々が参加できたこと、企業との連携を実現したことなど、区民とともに取り組むという目的が大きく達成できたのではないかと思います。70周年をきっかけにして助成した事業が、来年度は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の気運醸成に活用されると聞いております。今後、この70周年記念事業について詳しく検証されることと思います。  そこで、今回の事業で得られた経験や効果などを、今後大きな節目になる区政100周年に向けてどのように生かしていくのか、現段階での区長のお考えをお聞きいたします。  次に、災害時における連携自治体への支援についてお伺いいたします。  昨年の4月14日、16日と、熊本県で最大震度7の地震が2度も発生し、さらに連日のたび重なる余震により、4月26日の被害状況では、熊本県で人的被害死者63名、行方不明者1名、重傷者273名、避難者4万7,032名、建物等被害では全壊1,750棟、半壊または一部損壊4,252棟、その他、港湾施設、鉄道、道路、橋りょう、空港等に甚大な被害が発生しました。その際、温泉所在都市協議会に加盟している菊池市、阿蘇市、間伐材を始めとした国産材の活用促進に関する協定を締結している小国町の3連携自治体から支援要請があり、救援物資を送ったとお聞きしました。さらに、熊本市には、特別区長会を通じて物資の提供の要請を受け飲料水を届けました。しかしながら、熊本市に届ける道中では、全国からあらゆる支援物資の車の渋滞が続いていて、必要なものが必要な分だけスムーズに被災者に届けられなかったと伺いました。支援要請に応えることのできる支援体制が課題であったと思います。  そこで伺いますが、災害時における区独自の事務事業を通じて友好関係にある3つの連携自治体への支援体制は、どのようなものであったのかお聞かせください。  また、東日本大震災でもありましたが、連携自治体からの支援物資の受け入れを田町の旧スポーツセンターや避難先等で行っていたことを思い出す方も少なくないと思います。昨年の熊本地震同様、支援物資の受け入れ、つまり受援体制が重要と考えます。例えば、学校等の避難所に100名の方がいるとして、支援物資が仮に40名分しか届かなかったとした場合、公平に分配するのが困難になり、結局は腐らせて廃棄しなくてはならなかったり、開封済みのお菓子が届けられたり、人の善意で行われた支援物資が残念な結末にならないような受入体制も想定していくことも求められると考えられます。  そこで伺いますが、さまざまな被災地や避難所の混乱、トラブルや成功例等の報告を勘案して、港区の災害時におけるスムーズな物資の受援体制について、区長のお考えをお聞かせください。  次に、スタンドパイプについてお伺いいたします。  昨年の第2回定例会で、区長に木造住宅密集地域の防災対策について伺いました。その際、地震発生時の道路閉塞を防止するため細街路の拡幅整備を進めていくとの答弁をいただきました。もちろん、長い目で見れば必要だと思いますが、首都直下地震が刻々と迫っているかもしれない状況を考えますと、細街路の拡幅には時間も費用もかかることが予想されます。消防車が進入できない細街路がある地域の町会・自治会に、延焼を防ぐため、また消火活動に有効で住民がいざというとき活用できる消火資器材のスタンドパイプを消火訓練を行うことを条件に、必要な場所に必要な数を配備していくべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。  さらに、災害時避難行動要支援者対策についてお伺いいたします。  区では、高齢者や障害のある人など、災害が起こったときに配慮を要する要配慮者のうち、みずから避難することが困難で特に支援を必要とする人を対象として、避難行動要支援者名簿を作成し、災害時の安否確認や避難支援などに活用していくとしております。さらに、要配慮者には、高齢者、障害者のほかに、乳幼児、外国人、妊産婦なども含まれます。  そこで伺いますが、登録要件を満たした人を抽出し、避難行動要支援者名簿に登録していくという事業ですが、平成27年の11月から開始されたこの事業の進捗状況と、これからの取り組みについてご見解をお聞かせください。  次に、危機管理についてお伺いいたします。  先月、マレーシアの空港において金正男氏が殺害されました。多くの人がいる目の前での犯行で、現地警察の調べでは、青酸カリよりも猛毒の物質が使用されたのではないかという報道がありました。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を前にして訪日観光客が増えている現状を考えますと、こうした事件やテロの脅威等、さまざまな危険が昼間人口90万人の港区にも潜んでいるのかもしれません。もちろん、国や東京都、警察との連携を図りながらさまざまな対策を講じられていることと思います。こうした危機管理にかかわるこれまでの区の取り組みと、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、テロ等の大きな脅威に備えたこれからの取り組みについてご見解をお聞きいたします。  次に、人権問題への区の取り組みについてお伺いいたします。  日本国憲法では、人権・信条・性別・社会的身分等々によって差別されないとする法のもとの平等、思想及び良心の自由、信教の自由、学問の自由、教育を受ける権利、勤労の権利など、多くの種類の人権を基本的人権として保障しております。東京都の人権施策の基本理念である、東京都人権施策推進指針において、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、世界一の都市・東京の実現を目指し、国の内外から集まった全ての人々がお互いに生活習慣、文化、価値観等の違いを認め合い、心のバリアフリーを実現し、幸せを追求できる都市とすることが必要としております。  人権問題といってもさまざまで、女性の人権、子どもの人権、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの人々、外国人、HIV感染者、ハンセン病患者等、犯罪被害者やその家族、北朝鮮による拉致問題、路上生活者、性同一性障害者、さまざまなハラスメント等々、あらゆる人権問題の解決を目指すことが必要です。20世紀における2度の世界大戦の反省から、平和の実現にとって人権の尊重がとても大切であるということが国際的な認識となり、全人類の幸せが実現する時代にしたいという願いを込めて、21世紀は人権の世紀と言われております。  また、近年は、障害者差別解消法、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律、いわゆるヘイトスピーチ法、部落差別の解消の推進に関する法律等、個別の人権問題ごとの法整備が進んでおります。そこで伺います。社会の変化に伴い、人権問題もさまざまに変化しておりますが、区は、人権問題の変化にあわせて、職員や区民への意識啓発にどのように取り組んでおられるのかお聞かせください。  次に、幼少期からの男女平等参画の推進についてお伺いします。  世界各国の男女平等の度合いを指数化した世界経済フォーラムの2016年版ジェンダー・ギャップ指数で、日本の順位は調査対象国144カ国中111位でありました。2015年は145カ国中101位で、1年で10番も下がり、過去最低の水準になってしまいました。ジェンダー・ギャップ指数は、女性の地位を経済、教育、政治、健康の4つの分野で分析し、日本は健康や教育で順位を上げましたが、経済は118位と12番も下げ、政治は1つ上昇し103位となりました。世界経済フォーラムは、世界全体の傾向として、教育や健康では男女の格差縮小が進んだのに対し、経済では改善のスピードが鈍っているとのことで、このままのペースが続いたと想定すると、男女が経済的に平等になるには170年かかるという記事がありました。  そうしたことを受けて、男女平等参画社会の実現のためには、幼少期からの家庭教育や保育園・幼稚園での保育、学校教育を通じて、発達段階に応じた男女平等の意識の定着が不可欠です。幼少期における教育は、生涯にわたる人格形成の基礎となりとても重要です。さまざまな場面で、親や大人がそのときどきに培われた価値観を子どもに何気なく押しつけているのをよく目にいたします。例えば、親が、大人が、小さな女の子に「○○ちゃんは女の子なんだからおとなしくしていなさい」「○○君は男なんだから泣かない」「○○ちゃんは女の子だから色はかわいらしいピンクがいいかな」とか、ふだん繰り広げられているような何気ない会話ややりとりも、ひょっとしたらと思うことがあります。おとなしくするのは男女問わずですし、ピンクが女の子でなければいけないわけでもないですし、ピンクだけがかわいいわけでもありません。泣くのは男も女も関係ないと思います。大人ですらときには泣くこともあるわけです。  もちろん、男女平等や人権問題を意識して、常に言動や行動しているわけではなく、ましてや押しつけているわけではないのかもしれませんが、習慣が身につける考え方やセンスに至るまで、気がつくと何が悪いのか、人を不快にさせてしまっているのかがわからない大人になってしまいます。そうならないためにも、幼少期からの男女平等参画推進を教育の場で行うことは重要だと思います。  そこで伺いますが、区は、幼少期から男女平等参画を子どもたちに教える前に、保育士の方や先生への教育が必要だと思います。教える側がまず理解していることがとても重要です。子どもたちに男女平等を正しく教えるために、先生にどのような研修をされているのか、取り組みとご見解を区長、教育長にそれぞれお伺いいたします。  次に、公務員の働き方改革についてお聞きいたします。
     昨年起きた株式会社電通の社員の事件をきっかけに、働き方改革に関する議論が巻き起こっております。民間でさまざまな対策がとられる中、政府は、月の総残業時間を規制する方向で動き出しております。しかし、私は、民間レベルの施策ばかりに注目が集まる中で、本来、民間事業者の模範となるべき公務員の働き方をどうするのかという議論がなかなか始まらないことには、いささか違和感を感じております。省庁や地方自治体の庁舎の電気は夜遅くまでついており、サービス残業が増え、給料が上がらない実態は何とかするべきだと思います。そろそろ人員の配置の仕方を含め、抜本的に見直すべきときではないでしょうか。  そんな中、神戸市では、公務員の兼業を認める取り組みを行うことが発表されました。NPOなど公共性の高い事業に限り、職員が休日等を利用して就業することを認めております。民間でも2枚目の名刺を持ち、就業時間外を利用してNPOなどの事業に参画し力を発揮する人が増えつつある中、公務員の持つ高い専門性をより広く社会に還元できる機会を設けることは、大変意義のあることだと思います。公務員の働き方改革と社会への還元を同時に進めることができる取り組みとして評価できます。  そこで、港区においても、神戸市の取り組みを参考にして職員の兼業を認めてはいかがでしょうか。企業やNPOが集まり、東京の英知が結集された港区には、公務員がより活躍できるチャンスがたくさんあります。さらに、民間での経験がまた日々の仕事に生かされてくるとも思われます。これまでも民間と人材交流を行っていることは承知いたしておりますが、そこから一歩踏み出して、こうした制度づくりを行ってほしいと思っております。とはいえ、まずは時間外労働を是正していくことが重要です。国の働き方改革に呼応して、職場環境、仕事の進め方等々、時間外労働の是正に必要なことは何でも取り組んでいただきたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。  次に、町会・自治会について伺います。  武井区長が、平成18年4月に、地域のことは地域で解決し、区民ニーズを身近に捉え、より質の高い行政サービスを行うため、区役所・支所改革、総合支所制度をスタートさせて、10年が経過しました。区では、支所改革を行う上で、地域の要である町会・自治会により多くの地域住民が参加していただくために尽力されてきたと思います。5つの総合支所と支援部が協力し合いながら、地域のあらゆる課題を解決するためには、町会・自治会との協力体制を強化していく必要があります。町会・自治会の会員の確保とともに、高齢化に対応し、地域社会の課題解決のためには人員の量、質を高めていくことが必要です。243の町会・自治会のうち9つが休会中であり、活動中の団体は234あるわけですが、自前で町会・自治会活動を満足に行われていないところも存在しているのではないでしょうか。以前から申し上げているように、区役所・支所改革によって職員がまちに出て、土日、祝日も地域のイベントに参加したり、きめ細かい行政サービスを行う対面式の区役所の姿勢は評価いたしておりますが、町会・自治会が自立して生き生きと地域の課題解決の役割を果たすためには、さらに区役所の支援と時間を要するのではないかと考えます。  そこで伺いますが、来年度、支援部の体制を強化すると聞いております。現在の町会・自治会における課題の認識と、今後強化していく取り組みについて区長のお考えをお聞かせください。  次に、ごみ通報システムについてお伺いいたします。  ごみ通報システムとは、事前にスマートフォンにアプリをダウンロードしていただいた区民の方が、ごみの不法投棄をスマートフォンのカメラで撮影し、画像をGPS情報とともに送信することにより、画像と位置情報が区に通報され、不法投棄の状況や位置の特定が可能となる区民協働型のシステムです。  区には、多くの不法投棄に関する通報が寄せられています。例えば、西麻布では、収集日に関係なくごみが捨てられ、カラスがごみをあさりに来るため歩道上にごみが散乱するとともに、収集日を守らないため放置されたごみがごみを呼び、ベッドやパソコン、水槽などの粗大ごみまで勝手に捨てられるようになってきたと、本予算委員会で我が会派の清家あい委員が指摘していました。  ごみの不法投棄は、美観を損なうだけでなく衛生的にも問題が発生します。特に夏場は、臭気を放ったり、蚊の発生源となることもあります。何より、そうした雰囲気のまちは、治安の悪化につながるとともに、まちの人たちの心も沈ませてしまいます。そのため、こういったごみの不法投棄は早く片づけるなど、迅速に適切な対応をとらなければいけません。ですが、現在の電話による通報ですと、不法投棄の場所や状況がはっきりせず、対応がおくれることもあるかと思います。また、通報する側も、区役所の開庁していない時間では通報できませんし、通勤・通学の際に発見した場合には、電話をする時間的余裕がないこともあるかと思います。そういった際に、このごみ通報システムが役に立ちます。写真とともにGPSを通じて詳細な位置情報も送信されるため、場所や状況がより正確に把握できます。また、通報する側も、アプリで写真をとるだけですので、通勤・通学時の忙しい時間帯でも手軽に通報することができます。  このような情報通信技術、ICTを活用したごみなどの通報システムの先鞭をつけたのが、千葉市のちば市民協働レポート、ちばレポです。千葉市は2013年から実証実験を始め、2014年9月に本格運用を始めました。こうしたICTを活用した通報システムを導入する自治体は広がりを見せ、23区では練馬区がねりまちレポーター、ねりレポを昨年の10月から運用を開始しています。システムの導入により、区民からの通報を個別に閉鎖的に管理していたものを、一括でオープンに管理することができるようになり、オープンデータ化されたデータを使って、区民や町会、事業者などが現状を分析し、新たな解決方法を編み出すことにつながっているとのことです。しかし、何より重要なのは、こうしたシステムの導入により、今まで行政にかかわらなかった人が参画できる仕組みとなっていることや、オープンな空間で情報共有が行われることで参画と協働の機運が高まり、自分たちの手で自分たちのまちをつくろうという意識が自然と熟成される仕掛けとなっていることです。  本定例会の所信表明で武井区長は、参画と協働は区政運営の柱であると述べられておりますが、こうしたシステムの導入は、参画と協働に資するものと確信しております。昨年12月より資源・ごみの分別や、地域の回収・収集日の検索機能や出し忘れを防止するアラーム機能などを備えたごみ分別アプリが配信されました。このごみ分別アプリにごみ通報システムの機能を付加するなど、ごみ通報システムの導入についてご検討いただきたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。  次に、高齢者の住まいの確保についてお伺いいたします。  高齢者が新たに賃貸物件を区内で見つける際の難しさについては、我が会派は以前より取り上げております。来年度以降、特定公共賃貸住宅等の空室を高齢者向け住宅に転用していく施策が打ち出されました。その際、緊急通報システムの申し込みと福祉に関する情報の積極的な提供とあわせ、連帯保証人がいない方は高齢者住宅財団の家賃債務保証制度を活用することとなっております。この3点は特公賃に限らず、民間の物件でも取り入れることによって高齢者の住まいの確保と安心した暮らしにつながるのではないかと思います。現在、区の行っている高齢者世帯民間住宅あっせん事業では、立ち退きを求められていたり、劣悪な環境の高齢者世帯に対し、公益社団法人東京都宅地建物取引業協会港区支部等にご協力いただき、物件をあっせんするとともに、礼金と仲介手数料を助成し、あわせて連帯保証人がいない方には保証してくれる保証会社を紹介し、初回保証委託料を助成するという取り組みを行っていますが、ほとんど実績がありません。家賃がなかなか折り合わないということです。低家賃の物件が減ってきているので難しい問題ですが、長年住んできた高齢者を追い出すようなことはしたくないと思います。  このあっせん事業以外でも、相談に際して区民課の窓口等で宅建協会港区支部が会員の中から指定する相談協力店をリスト化して案内していると聞いております。こちらは事業としてやっているわけではないので、はっきりとしたデータはありませんが、やはり家賃面で成立しないケースが多いようです。一定の条件を満たした方に転居前と転居後の家賃の差額を助成する制度が過去にありましたが、公平性の点や一定の役割を終えたという判断で、新規受付は平成18年度で終わっています。確かに特定の個人に差額を助成するのはどうかと思いますので、効果的な別の方策がないものかと思います。高齢者が賃貸物件を見つける場合の貸し渋りを減らすことで、家賃も含め、物件の選択肢が増えるのではないかと思います。  そこで、緊急通報システムへの申し込みや保証会社等の保証制度の活用により、貸し主の不安を限りなく減らせることを区内の貸し主に不動産屋を通じて広報してもらい、高齢者向け民間賃貸物件のボリュームを拡大するなど、高齢者と民間賃貸物件のマッチングを後押しする取り組みが必要ではないかと思います。今後の高齢者の住まいの確保に関する区の取り組みについてお伺いいたします。  次に、有害図書の規制についてお伺いいたします。  先日、千葉市がことしの夏から、コンビニエンスストアで販売される成人向け雑誌の表紙をフィルムで隠す事業を始めることを発表し話題になりました。千葉市によると、子どもへの配慮のほか、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で外国人旅行客が増えることを踏まえ、イメージダウンを避けるのが狙いということです。  千葉市が行う事業は、子どもの健全育成などに関する協定を結んでいるセブン−イレブンの市内12店舗でモデル事業として始める予定で、千葉県青少年健全育成条例が定める有害図書に当たる雑誌などの表紙を、雑誌のタイトルは見える状態で中央の3分の1程度を色つきフィルムで覆うことを検討しているということです。  同様の取り組みは既に大阪府堺市が実施しており、昨年3月にファミリーマートと有害図書類を青少年に見せない環境づくりに関する協定を結び、市内12店舗で成人向け雑誌を緑色のフィルムで隠しているということで、堺市には賛成意見の方が多く寄せられているということです。  日本のコンビニエンスストアなどに陳列されている成人向け雑誌の表紙の写真が過激すぎるというのは、BBCなど海外のメディアでも批判的に取り上げられている問題です。子どもを持つ多くの家庭にとって、まちにあふれる過激なポルノ画像などを、いかに子どもの目に触れさせないかということは、頭の痛い問題だと思います。今の時代は、インターネットでさまざまなポルノ画像などが検索できますが、子どもにスマホを与える、与えない、フィルタをかける、かけないなどは、ある程度親がコントロールできることです。一方、コンビニエンスストアに並ぶ成人向け雑誌や、書店の路面の陳列棚などに並ぶ成人向け雑誌の過激なポルノ画像は、登下校中の小さな子どもたちの目線に否応なく入ってきてしまいます。区内には多くの大使館があるため、大使館勤務の家庭の外国籍児童も多く、そうした家庭から、「こんなに子どもたちがポルノにさらされる国はない。港区には外国籍の子どもたちが多いことも考えて、この現状を何とかしてほしい」という声も寄せられています。また、大使館で外国人旅行者の対応をしている職員の方からは、「自国からの旅行客に、なぜ日本ではこんなにポルノ画像があふれているのかと驚かれる」という苦情もいただいております。もちろん、区内の多くの保護者も困惑している問題です。  千葉市では、子どもたちへの配慮と同時に、東京2020大会を見据えて外国人観光客への配慮、つまり、国際的な配慮からこうした事業を開始するということです。港区は特に大使館などが多く、外国籍のお子さんも多い上、小さな子どもたちの人口が急増している自治体でもあります。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けての外国人観光客の集客という点では、最も注目される自治体の1つだと思います。  そうした点を踏まえて、港区でも、こうした条例をつくったり、東京都青少年の健全な育成に関する条例の改善を働きかけたり、何らかの対策が必要と考えますが、こうした有害図書規制の問題に対する区長の見解をお伺いします。  次に、シティプロモーション推進事業についてお伺いいたします。  来る東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、区では訪日外国人にPRしていくため、シティプロモーションを強化していくとしております。個々の取り組みについては評価する一方、それらを通じて港区のどんな特徴をアピールしたいのか、他区と比べた魅力が何かについては余り分析ができていないように感じられ、港区らしい色が打ち出せていないのではないかと思ってしまいます。先日、事業者に委託してつくられた戦略にも同様の感想を持ってしまいました。隣の渋谷区では、多様性をコンセプトに掲げ、多様なカルチャーが集まり発信されることを大きな魅力として打ち出しております。明確なコンセプトのもと、カラフルなホームページにリニューアルし、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんを観光大使に起用したり、統一感のあるシティプロモーションで外国人の方も魅了しております。観光インフォメーションセンターもカラフルでとても魅力的に感じます。  そこで伺いますが、観光都市としての港区の魅力を一言であらわすとすれば、どのようなキャッチフレーズで表現できるとお考えでしょうか。  また、新たなシンボルマークをつくる際には、アイコンを乱立させることなく、1つのコンセプトのもとで、公募ではなくプロにマークをつくってもらうべきだと考えますがいかがでしょうか。  観光インフォメーションセンターについても違和感を感じております。外国人が日本を訪れた際、誰が「港区の中で探そう」と思いますでしょうか。そもそも、日本人ですら、「港区に行こうよ」という発想の方がどれぐらいいらっしゃるのか。港区に住みたいぐらいはあるかもしれませんし、まだ「六本木に行こう」「赤坂行かない?」「新橋で飲もうよ」はあるかもしれません。それよりも、東京の魅力を幅広く紹介する中で港区の観光施設をさりげなくお伝えする方が、彼らのニーズにより近くなると考えております。港区観光インフォメーションセンターについては、むしろ港区をとった上で、より幅広く、外国人のニーズに沿ったものにするべきと考えますが、いかがでしょうか、区長のお考えをお聞かせください。シティプロモーションについては、企業やNPOの知恵をお借りしながら民間と協働しつつ、さらなる取り組みを期待いたしております。  次に、バリアフリー観光についてお伺いいたします。  現在、年齢や障害等の有無にかかわらず、全ての人が楽しめるようにつくられた旅行、誰もが気兼ねなく参加できる旅行、いわゆるユニバーサルツーリズムの普及・促進が重要なテーマとなっております。港区においては、今年度、観光施設や商業施設等のバリアフリーの実態調査、さらには福祉団体、観光ボランティアガイド等の幅広い関係者のもと、車椅子利用者の視点で観光モデルコースの構築に着手するなど、ユニバーサルツーリズムの思想を踏まえた受入態勢の強化に先駆的に取り組んでいることと思います。このような取り組みについては、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、港区シティプロモーション戦略に掲げられた、国内外に開かれ多様性を受け入れる都市という、港区の都市イメージをさらに強化・発信していく意味でも、非常に有意義なものであると評価いたしております。  来年度予算では、今年度の取り組みの成果をもとに、車椅子利用者を中心に、誰もが安心してまち歩きを楽しむことができる観光ルートを紹介するリーフレットの作成費が計上されております。産業経済費の質疑の中で、我が会派の榎本あゆみ委員が指摘していたように、この取り組みは、車椅子の利用者だけではなく、ベビーカーやバギーを利用する子育て世代などにも利用できるものだと思いますので、ユニバーサル対応のリーフレットとして配布や活用を工夫していただきたいと思います。  また、障害者と言っても、身体障害だけでなく、視覚障害や聴覚障害など、障害の種別や程度はさまざまです。港区が成熟した観光都市として、世界に誇れる魅力ある観光都市として観光客に選ばれ続けるためには、ユニバーサルツーリズムの視点をもって、視覚障害者や聴覚障害者などに対しても、快適で満足度の高い滞在と体験を提供していくことが求められていると思います。来年度は、リーフレットの作成のほかに、どのようにバリアフリー観光にチャレンジしていかれるおつもりなのかお聞きいたします。  次に、中堅所得者向け住宅の転用について伺います。  先日の総務省の発表によると、東京圏への転入超過が20年連続となり、東京都は最大の転入超過で、7万4,000人超ということでした。港区でも10年以上の人口増加が続いており、今後も増え続ける予測で、既にファミリー層を新たに呼び込むための住宅政策は役割を終えたと言えます。港区内の区民向け住宅には、シティハイツ六本木を除く区営住宅273戸、特定公共賃貸住宅443戸、区立住宅147戸があり、そのうち区営住宅は、一般の2人世帯であれば年収約230万円以下の世帯、いわゆる低所得層が対象で、特定公共賃貸住宅は同じ条件なら年収約230万円から620万円、区立住宅は約230万円から1,040万円の中堅所得層までが対象となります。  平成26年に区が策定した第3次港区住宅基本計画後期改定版では、中堅所得層のファミリー世帯向け住宅の役割の見直しが掲げられており、住宅確保要配慮者、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯、外国人その他に対する優遇処置の適用、リストラなどにより急激に所得の下がった世帯の受け皿として、幅広に可能性を検証、検討していきますとされております。  先日、港区は、中堅所得者向けである特定公共賃貸住宅の高齢者用への転用を発表されました。土木費で、我が会派のなかまえ委員がこの施策に対し、平成29年度から転用を開始する特定公共住宅シティハイツ港南では、対象となる住居は2DKか3DKの世帯向け住宅となっていることから、「住宅に困りがちなひとり暮らし高齢者は、単身用で低廉な住宅へのニーズが高いので、今後コンパクトなものも用意できないか」と質問し、住宅担当課長から「区民向け住宅の建て替えの際には、世帯人数や世帯構成を踏まえ、単身者向けを含め多様なニーズに対応した住戸規模を設定していく」という答弁をいただいております。現に、港区でも高齢化が進み、住宅の困窮する高齢者が増えているのは事実で、ニーズに合った施策が早急に幅広く展開されることを強く望みます。  また一方で、近年、社会問題となっているのが子どもの貧困問題であり、日本では6人に1人の子どもが貧困状態にあり、シングルマザーの2人に1人が貧困、平均年収は200万円以下とも言われております。背景には、日本の世代間格差、男女格差の問題があります。港区でも、低所得層のひとり親向けの支援である児童扶養手当を受けている人は、毎年1,000人以上います。受ける相談では、突然夫がいなくなった、DVで離婚したなどが多く、そのうち、頼れる実家がある人はよいのですが、そうではない人たちも多いです。子どもの学校生活などもあり、自分の仕事の都合もあり、訴訟を抱えていたり、養育費がもらえなかったりする中で、精神科に通院する人も多く、身動きがとれない中で収入は激減するので、近隣に引っ越し先を必死で探すことになりますが、小さな子どもがいて保証人もいないような状況では、なかなか見つかりません。そうした中で、一番影響を受けるのは小さな子どもたちです。港区内の母子支援施設は老朽化がひどく、来年度で廃止になることも決まっており、今後の計画もまだ決まっていません。  都営住宅には、ひとり親世帯、高齢者世帯、心身障害者世帯、多子世帯、特に所得の低い一般世帯、車椅子使用者世帯向けの住宅が用意されており、住宅困窮度の高い順に入れるポイント方式がとられています。  足立区は先日、区営住宅の一部を児童養護施設を出た子どもたちが優先的に一時入居できるようにする条例案を発表しました。児童養護施設には18歳までしかいられない上、民間住宅でひとり暮らしをしようにも、保証人が見つからない子どもたちも多く、生活費や学費を自分でかせがなければならないため、住宅に困窮する現状が背景にあります。  住宅確保要配慮者の中でも、困窮の度合いで入居の優先枠を設けていくことは必要だと思います。所得や年齢などだけで一律に割り切れるものでもありません。港区の区民向け住宅が、社会問題の解決策として一層有効利用されること、こうした住宅確保要配慮者の困窮度に配慮した施策がとられることを期待いたしております。  現在、港区では、特定公共賃貸住宅の高齢者向け住宅への転用を開始する予定であり、今後拡大していく方針をとられていますが、転用に当たっては、住宅確保要配慮者の対象を拡大していくことも検討していただきたいと思いますが、区長のお考えをお伺いいたします。  次にドッグランについてお伺いいたします。  麻布地区にドッグランの設置を求める請願が一昨年の6月に出され、満場一致で採択されております。区立公園等におけるドッグラン設置の基本的な考え方が平成23年3月に策定され、区としてもドッグラン設置を進めていく意向です。しかし、最低500平方メートルの面積確保、公園利用者や近隣の理解という区で設定した3条件に阻まれ、芝浦中央公園、港南緑水公園以降の設置が一向に進んでおりません。区内の犬の登録頭数は年々増えており、防災にしても、まちづくりにしても、ペット込みで考えていかなければならない時代です。ちなみに、3月1日付の世帯数を昨日現在の犬の登録頭数で割りますと、芝地区は16世帯に1頭、麻布地区は10世帯に1頭、赤坂地区は12世帯に1頭、高輪地区は14世帯に1頭、芝浦港南地区は11世帯に1頭くらいの割合で飼っていることになり、特に麻布地区での比率が高いです。  ペットのことではありますが、飼い主の数や都心の住宅事情を考えると、犬を自由に走らせ、飼い主の交流やマナー啓発にも寄与できるドッグランが徒歩で行かれる身近な場所にあることは、住民サービスの大切な一環です。区内の公園はノーリード禁止になっており、このルールの遵守を飼い主に求めるからには、禁止する一方ではなく、放せる場所の確保も必要です。  ドッグランに関する区民意識調査結果を見ましても、設置を希望される方の割合は高いです。7年前の魅力ある有栖川記念公園づくりの提言書や、区が内部的に定めた条件に固執していては、いつまでたってもできません。区立・都立の公園だけでなく、民有地も含めたオープンスペースや未利用地など、あらゆる可能性を探り、また、常時開設でなく一定の時間を区切ってやってみるなど、まさに区の本気度にかかっていると思います。請願が満場一致で採択されたこと、多くの議員、区民の願いであることをしっかりと受けとめていただきまして、麻布地区をはじめ、区内に新たにドッグランを設置することを、ぜひとも前向きに検討していただきたいと考えますが、区の見解をお伺いいたします。  最後に、次期学習指導要領についてお伺いいたします。  先日、文部科学省が、小・中学校の学習指導要領と幼稚園の教育要領の改訂案を公表しました。約10年ごとに全面改訂される学習指導要領ですが、今回は、歴史の授業で聖徳太子の名称が変わることや、領土に政権の見解が反映されていること、英語が小学校3年生からスタートになること、プログラミング教育の必修化、アクティブ・ラーニング的手法を用いた授業など、さまざまな改訂があり、質量ともに増えるという見方が多く、時間捻出などを課題とする自治体が多いようです。各校のカリキュラム・マネジメント力が試されると言われております。  港区教育委員会としては、今の港区の学校現場の現状と照らし合わせて、この学習指導要領の改訂をどのように受けとめ、考えておりますでしょうか。また、英語の授業は、港区では既に小学校1年生から行っておりますが、何か変更はあるのでしょうか。教育長にお伺いいたします。 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての杉浦のりお委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、港区政70周年記念事業についてのお尋ねです。  記念事業には、多くの区民の皆さんにご参加をいただき、区内各地でさまざまな事業が展開されたことで、新しいつながりが生まれ、地域の絆が深まりました。さらに、区内企業との新たな連携が実現するとともに、全国各地との連携が深まるなど、大きな成果を得ることができました。私は、こうした区政70周年記念事業で培った地域の絆、また、全国連携の深まり、官民連携の新たな力を、区政100周年に向けて、区民サービスのさらなる向上、地域社会の発展に着実につなげてまいります。  次に、防災についてのお尋ねです。  まず、災害時における連携自治体への支援についてです。区は、昨年4月に発生した熊本地震において、特別区長会の支援要請に基づき、熊本市へ物資を送り、また、これとは別に、区と交流のある3自治体に独自で支援物資を送りました。その3自治体の支援については、支援要請を受ける前に直接区から連絡をとり、必要とする物資の品目、数量を把握するとともに、先方の受入体制を確認した上で、荷下ろしも行えるよう区職員3名を同行させ、支援物資を移送いたしました。各自治体に受入体制を直接確認したことや、区職員も同行させたことにより、円滑に支援物資を届けることができました。  次に、災害時における物資の受け入れについてのお尋ねです。区は、昨年4月に発生した熊本地震における支援の受入体制の課題を踏まえ、各自治体や民間団体などから送られてくる救援物資を迅速かつ円滑に区民の手もとへ届けるために、みなとパーク芝浦を物資集積場所として指定し、物資を一括集積した後、各避難所へ配付する仕組みや、物資の荷さばきを物流に精通した民間事業者と連携して行うことなどを、港区地域防災計画で定めます。今後も、国や東京都、他の特別区とも連携し、区の実情に即した災害時の支援の受入体制について備えてまいります。  次に、スタンドパイプについてのお尋ねです。木造住宅が多く、消防車両の進入が難しい狭い道路の多い地域では、搬送が簡便なスタンドパイプによる消火活動が有効であると考えております。初期消火活動を迅速かつ安全に行うためには、その操作にも習熟していただく必要があります。区は、平成27年度より消防署の指導のもとで、スタンドパイプ操法訓練を実施した地域の防災住民組織に対してスタンドパイプを貸与しております。今後も、必要とする防災住民組織へスタンドパイプの配備を進め、地域の防災力を地域の皆様とともに向上させてまいります。  次に、災害時避難行動要支援者対策についてのお尋ねです。区では、平成27年度に作成した避難行動要支援者名簿を平成28年11月に更新いたしました。対象となった方には、事業のご案内とともに、支援関係者への平時の名簿情報の提供や、個別支援計画の作成に同意いただくための書類を郵送しております。今後、同意を得られた方の名簿を区内警察署、消防署、民生委員・児童委員、町会・自治会などの支援関係者に提供するとともに、個別の支援計画の作成を進めてまいります。引き続き、支援関係者と連携して、災害時の円滑な避難支援を確保できるよう、体制の構築に努めてまいります。  次に、危機管理についてのお尋ねです。  区では、安全・安心に関する情報を共有するため、区内6警察署長と覚書を結び、連絡調整会議を行うなど、関係機関との連携を強化しております。テロなど重要凶悪犯罪が発生した場合、区内警察署と連携し、必要に応じて防災行政無線や、みんなと安全安心メールを活用するとともに、平時から区民の皆様へ避難方法などについて、区ホームページなどで周知しております。今後は、現在行っている警察署、消防署と連携した区有施設での不審者対応訓練や、大規模テロを想定した初動対応に対する図上訓練を、より実践的な内容に工夫してまいります。万が一、テロが発生した場合は、危機管理対策本部を設置し、区民や来街者を迅速に避難誘導するなど、安全を確保いたします。また、大規模なテロの場合は、港区国民保護計画に基づき、国や東京都と連携して対応いたします。今後とも、危機管理体制のさらなる強化に取り組んでまいります。  次に、人権問題への区の取り組みについてのお尋ねです。  区はこれまで、社会状況の変化に伴い顕在化してきた性的マイノリティや高齢者などの人権課題をテーマにした、講演と映画のつどいを開催しております。区広報紙においては、インターネットやSNSによる人権侵害の実態やヘイトスピーチへの取り組みを掲載するなど、区民への啓発を行っております。あわせて、職員研修につきましても、障害者差別解消法などの新たな人権課題を取り入れるなど、毎年度内容の見直しを行い、効果的に実施してまいりました。今後も、多様化する人権問題について、あらゆる機会を捉えた意識啓発に取り組み、人権を尊重する社会の実現を目指してまいります。  次に、幼少期からの男女平等参画の推進についてのお尋ねです。  区では、認可保育園などの保育士に対し、男女平等意識の向上を含めた子どもの人権に関する研修を行っております。研修では、性別、障害の有無、出身地などによる差別・偏見が生じないよう、日ごろの保育で工夫すべき点や、子どもとのかかわり方などについて学んでおります。また、具体的な事例を用いた意見交換を行い、保育現場で生かせる実践的な内容となるよう工夫しております。今後も区は、子どもの男女平等参画意識の向上を図るとともに、保育士の人材育成に取り組んでまいります。  次に、公務員の働き方改革についてのお尋ねです。  超過勤務縮減に当たっては、職員一人ひとりの意識改革に加えて、組織全体の課題として取り組むことが必要です。区は現在、仕事の進め方や会議のあり方などの抜本的な見直しに向け、検討を進めております。今後、喫緊の課題である超過勤務の縮減に取り組み、職員が生き生きと働き、その持てる力を十分に発揮できる働きやすい職場づくりを一層推進してまいります。  次に、町会・自治会への支援についてのお尋ねです。  町会・自治会には、役員の方々の高齢化や町会活動への関心が低いなど、さまざまな課題があることは承知しております。区は、町会・自治会活動に関心を持っていただくため、明日開催する予定ですが、赤坂地区の地域デビューの集いや、芝浦港南地区のベイエリア講座など、各地区総合支所が町会・自治会活動に対し、さまざまな支援を行っております。来年度は、町会・自治会など地域コミュニティに係る担当組織を設置し、支援部機能をより一層強化いたします。今後も、地域で活動されている方々や学識経験者のご意見を伺いながら、より効果的な支援となるよう取り組んでまいります。  次に、ごみ通報システムについてのお尋ねです。  港区ごみ分別アプリは、多くの自治体が採用している既存のプログラムを改修し運営しております。港区のごみ出しルールを区民の皆さんにわかりやすくご理解いただける一方で、ごみ通報システムのような新たな機能を追加することは難しい状況です。今後も、不法投棄や集積所の利用マナー違反などにつきましては、町会・自治会や商店会、清掃協力会の皆さんと緊密に連携し、まちぐるみでの取り組みを進めるとともに、日々の収集作業やパトロールによる状況把握をきめ細かく行い、迅速に対応してまいります。また、効果的な手段について、引き続き研究してまいります。  次に、高齢者の住まいの確保についてのお尋ねです。  区は、平成29年度、区営住宅シティハイツ六本木の改築にあわせて、高齢者が安心して住み続けられるサービスつき高齢者向け住宅を30戸整備するとともに、特定公共賃貸住宅シティハイツ港南のあき室を高齢者対象に転用するなど、高齢者の多様な住まいの確保に努めてまいります。また、高齢者の入居に対する家主の不安を解消するため、公益社団法人東京都宅地建物取引業協会港区支部と連携し、家主に緊急通報システム事業等を紹介し、入居が困難な高齢者が民間賃貸住宅への契約につながるよう支援してまいります。  次に、有害図書の規制についてのお尋ねです。  いわゆる成人向け雑誌等の不健全な図書類については、東京都青少年の健全な育成に関する条例において、発行・販売業者に対し、青少年に販売や頒布・貸付などをしないよう、自主的な取り組みを求めています。コンビニエンスストアなどの店舗では、成人向け雑誌などに閲覧できない措置を講じ、他の図書類と区分陳列して販売されております。成人向け雑誌などを陳列・販売する際に、表紙をフィルムなどで覆う取り組みについては、東京都と情報交換を密にするとともに、他自治体の取り組みを参考にし、今後とも、青少年の健全育成に向けた環境づくりに取り組んでまいります。  次に、シティプロモーションについてのお尋ねです。  まず、キャッチフレーズについてです。多様性にあふれ、個々の地域や担い手が多彩な魅力を放っていることが港区の特徴とも言え、港区を1つのキャッチフレーズで表現するのはなかなか困難なことであろうかと考えております。昨年5月に策定しました港区シティプロモーション戦略では、統計データや観光客へのアンケート結果などをもとに、国内外に開かれ多様性を受け入れる都市、安全で安心できる都市など、6つの都市イメージを導き出しました。これらの都市イメージを、プロモーションの主体や目的などに応じて効果的に発信し、港区の観光都市としての多彩な魅力を国内外に伝えてまいります。  次に、シンボルマークについてのお尋ねです。区は、多様な主体の参画と協働を得てシティプロモーションを展開しております。新たな取り組みであるシンボルマークの制作に当たっても、制作の過程から多くの人々の関心を引き、参加を促していくことが重要であると考えております。このことが、区を挙げて取り組むシティプロモーションへの意識を醸成し、地域への誇りや愛着を高めることにもつながります。シンボルマークのデザインは、プロ、アマチュアを問わず、港区を愛する人々から広く提案を募り、港区にゆかりのあるデザインの専門家などの知見を得て決定してまいります。  次に、観光インフォメーションセンターについてのお尋ねです。東京モノレール浜松町駅の港区観光インフォメーションセンターは、昨年11月に東京都から東京観光案内窓口の指定を受け、広域的な観光情報の発信機能を強化するとともに、その旨を旅行者の目につきやすい場所にステッカーで表示しております。引き続き、港区の観光インフォメーションセンターとして、観光客を区内での滞在や回遊、消費に誘導する役割を中心に据えながら、東京都や近隣区との連携、多言語での対応を強化し、日本人はもとより、外国人利用者の利便性にも配慮した取り組みを進めてまいります。  次に、バリアフリー観光についてのお尋ねです。  来年度は、今年度実施したバリアフリー実態調査とモデル構築の成果を、リーフレットのほか、港区観光インフォメーションセンターや観光アプリなどを活用して、広く発信してまいります。また、手話技能を有する観光ボランティアガイドの育成に着手するとともに、視覚障害者や聴覚障害者を対象としたまち歩きツアーも検討しております。こうした取り組みを通じて、誰もが気兼ねなく区内観光を楽しむことができる環境づくりをより一層進めてまいります。  次に、中堅所得者向け住宅の転用についてのお尋ねです。  区は、今後も高齢化が進むことや、高齢者が民間住宅における入居制限を受けやすいことなどから、区立住宅と管理開始後20年を経過した特定公共賃貸住宅のあき室を活用し、65歳以上の高齢者を対象に住戸を転用してまいります。平成29年度は、特定公共賃貸住宅シティハイツ港南で実施し、他の住宅については、よりよい制度として運用できるよう、効果を検証した後、順次転用してまいります。ご質問の子育て世帯など、他の住宅確保要配慮者に対象を拡大することにつきましては、高齢者への住宅転用の状況を踏まえ、検討課題としてまいります。  最後に、ドッグランについてのお尋ねです。  ドッグランの設置に当たっては、ドッグランの最小面積である500平方メートルが確保できることや、公園利用者の理解が得られること、近隣住民の理解が得られることなど、区として設置基準を定めております。現在、この基準に基づき、芝浦中央公園、港南緑水公園を開設した後も、他の候補地を調査しております。引き続き、適地の選定を進める一方で、港にぎわい公園づくり基本方針に掲げられている、期間や日時などを定め一時的にドッグランとして開放する移動型ドッグランの導入についても検討を深めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(青木康平君) ただいまのみなと政策会議を代表しての杉浦のりお委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、幼少期からの男女平等参画の推進についてのお尋ねです。現在、教育委員会では、初任者研修において、東京都教育委員会が作成した人権教育プログラムを用い、新規採用教員が社会科、家庭科、道徳、特別活動などにおいて、男女の平等や男女相互の理解と協力の重要性、家族や家庭生活の大切さなどについての指導ができるよう、実践例をもとに研修しております。  また、幼稚園、小・中学校の教員を対象に、年3回実施している人権研修会では、人権教育プログラムをもとに、男女が互いの違いを認めつつ個人として尊重される、男女の本質的平等の理念に立って子どもたちを指導する資質能力を高めております。引き続き、全ての教員が男女平等について正しい認識と理解のもと、教育内容を充実できるよう指導してまいります。  最後に、次期学習指導要領についてのお尋ねです。次期学習指導要領では、アクティブ・ラーニングの手法を取り入れた授業など、新たな内容が示されておりますが、既に各学校では実施しているものもあります。また、新たな3年生からの外国語活動、5年生からの英語の教科化による英語学習の実施に伴い、国が定める授業時間は年間35時間増加いたします。教育委員会では、平成23年度から月2回土曜授業を実施し、既に国を上回る授業時間を確保しており、学習指導要領改訂後も、教育課程を適切に編成・実施していくことは可能であると考えております。  また、区独自に実施している1年生からの国際科による英語の授業につきましては、引き続き、教育課程特例校の申請を行い、これまでどおり週2回の授業を実施してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○委員(杉浦のりお君) 以上で総括質問を終わります。ありがとうございました。 ○委員長(池田こうじ君) みなと政策会議の総括質問は終わりました。  議事の運営上、暫時休憩いたします。再開予定は3時45分といたします。                 午後 3時25分 休憩                 午後 3時45分 再開 ○委員長(池田こうじ君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  総括質問の質疑を続行いたします。  次は、公明党議員団を代表して、池田たけし委員。 ○委員(池田たけし君) よろしくお願いいたします。平成29年度予算特別委員会最終審議にあたりまして、公明党議員団を代表して総括質問をいたします。
     明日3月11日で、東日本大震災の発災から6年が経過しようとしています。2,554名に上る行方不明者を出し、今なお全国47都道府県、1,094の市区町村に約12万3,000人の方が避難生活を送られています。生活再建への不安や社会的孤立などに直面している被災者もまだまだ多い中で、平穏な生活を送るためにも、心のケアのより一層の充実が求められております。被災者の皆様が1日も早く日常生活を取り戻せるよう、私たち公明党は、一人ひとりに寄り添いながら、心の復興、人間の復興に引き続き全力を上げて取り組んでまいります。  また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催があと3年後に迫ってまいりました。世界じゅうの人々が訪れるこの大会の成功は、有形無形の社会的変化、すなわちレガシーの創出が期待されています。人類が宗教的違いや人種を超え、世界の人々に感動を伝える大会となるよう期待をいたしまして、質問に入ります。  初めに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、スポーツや福祉など幅広いボランティアの養成、裾野拡大及び活躍機会の創出についてお伺いします。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、世界の200以上の国や地域から選手をはじめ、大会関係者や多数の観客が日本を訪れてきます。東京都は今月6日、東京2020大会開催に伴う経済波及効果が全国で約32兆3,000億円に達するとの試算を発表。その中には東京2020大会開催の建設投資に加え、大会後の施設や選手村の利用などによるレガシー効果の反映や、全国で約194万人の雇用効果なども見込まれています。  今後、スポーツ人口と訪日観光客の増加などが予測される中、世界じゅうの人々に東京及び港区の魅力を伝える絶好のチャンスであり、これらを実現するためには、区民一人ひとりが担い手になってもらうことが必要不可欠であります。中でもボランティア活動への参加は、「支える」スポーツの観点から東京2020大会成功にも大きくかかわっていくことであり、ほかでは決して得られない感動を体験する貴重な機会になると考えます。  そこで、東京都と組織委員会は、昨年12月、東京2020大会に向けたボランティア戦略を示し、ボランティアの募集や研修などの運営のあり方、さらには参加者の裾野拡大について基本的な考え方を述べており、今後この戦略をもとに、会場を有する自治体とも連携に向けた検討が進められていくことになるかと思います。現在、区では20歳以上の区内在住・在勤・在学者を対象に、生涯学習推進課主催による、港区スポーツボランティア養成講座が昨年6月から開催されており、先月2月18日で既に5回目となる講座が開かれました。  また、Kissポート財団では第2期スポーツボランティアスタッフの募集も行われ、2年後には(仮称)区民マラソンも計画されています。  あわせて、福祉など幅広いチャリティの考えも検討されていることと思いますが、今後こうしたボランティア講座の受講生やボランティアスタッフに応募された皆様をどのように養成していくのか。また、ボランティア活動に参加する方の裾野をどう広げていくのか。そして、養成したボランティアの人たちが活躍できる機会の創出が重要な課題であり、具体的な準備と計画を立て、全庁挙げて取り組んでいく段階にいよいよ差しかかっていくのではないでしょうか。  そこで質問は、東京2020大会まであと4年を切りましたが、大会運営において重要な役割と大会気運醸成の一躍を担っていくボランティアの養成と拡大、そして、活躍できる機会の創出を区としてどのように進めていくお考えなのか、区長の見解をお伺いします。  次に、落書きのないまちづくりの推進について伺います。  落書きがされていたり、汚れている場所は、治安上の不安を感じ、まちの魅力も低下させてしまいます。区長は所信表明において、「まちのルールとマナーが守られ、安心して快適に過ごせるまちの実現」を掲げ、「街の美観を損ない、犯罪の誘発にもつながる落書きは、放置せず、地域の皆様とともに即座に消去する、落書きのないまちづくりを推進する」と述べられました。落書きや汚されている場所をアートの力を活用して整備する事業として、芝地区では今年度、芝de Meet The Art〜アートに親しむまち、芝〜が実施されました。事業内容は、まちの安全・安心を高めるとともに、新たなにぎわいや魅力ある空間の創出を目指すものです。具体的には、落書きの対象となる可能性がある芝新堀町児童遊園内のトイレの目隠しボードを活用し、アーティストの山本修路氏によるペイントアートの制作が挙げられます。  また、新橋区民協働スペースを活用し、アート作品の公開制作を行い、区民が作品制作に参加できる企画もあります。こうして制作された作品は、赤や青など鮮やかな色彩で、とても目を引いています。1月6日の芝新堀町児童遊園の除幕式には、放課GO→クラブの子どもたちや、地元町会の皆様も参加し、地域ぐるみの取り組みとなっています。区の調査によりますと、繁華街に隣接する場所にも落書きが見られるとのことから、来年度予算では、区民協働による消去活動や落書き消去物品の支給などを行う落書き対策が新規事業として計上されています。先述のアート作品の活用や、落書き消去活動などを区民と一緒に実施することが、落書きの監視、犯罪防止につながると考えます。落書きをさせないという抑制力を高めるまちづくりが今こそ多くの区民から求められています。  そこで質問は、区民の方々が快適に安心して過ごせるまちづくりを進めるために、今後落書き対策をどのように推進されるのか、区長のお考えをお伺いします。  次に、災害時に備えたオストメイトへの支援について伺います。  人工の膀胱や肛門(ストーマ)で暮らすオストメイトにとって、排泄のためのストーマ装具は、命の次に大切なものです。装具は、腹部のストーマの周囲に接着するリング状の面板と、尿や便を受ける袋(パウチ)がセットです。ストーマ周囲の皮膚の状態に応じて、面板は平面か凸面に分かれ、また、人工肛門の場合は、ストーマが大腸か小腸かで分かれ、小腸なら水様便に対応した面板になります。  さらに一体型か分離型か、面板の穴の大きさや形、素材など、ストーマ装具は計約1,500種類あると言われています。素材が合わなかったり、交換を怠ったりすると、皮膚障害を起こすので、自分に合った装具で定期的に交換する必要があります。  厚生労働省は、平成19年6月、大規模災害における応急救助の指針についての一部改正と題する通知にて、平時から装具を備蓄するよう都道府県を通じて市区町村への周知を促しました。また、東日本大震災では、交換用の装具を持ち出せなかったり、津波で流されたりしたケースも多かったことを教訓に、自治体が装具の保管に協力する動きが少しずつ広がっています。  区では現在、各地区総合支所にて、消化管ストーマ用装具135人分、尿路系用ストーマ25人分など、最低限の防災用の備蓄を用意し、面板等の使用期限を考慮して3年ごとに一斉交換を行っており、このような先駆的な取り組みに対して高く評価しております。  一方、さきに述べたように、ストーマ装具の種類は多く、素材が合わないと皮膚障害を引き起こしたりするため、災害時に備えてストーマ装具の備蓄をオストメイトに周知し促すことが第一と考えます。また、各地区総合支所で避難所運営にあたる区職員に対しても、ストーマ装具の備蓄があることや、ストーマ装具についての基本的な知識を周知・啓発をすべきです。  そこで質問は、災害時に備えたオストメイトの支援に、区としてどのように取り組まれるつもりかお伺いいたします。  次に、病院内保育所の開設支援について伺います。  厚生労働省によれば、看護師などの免許を持ちながらも、結婚や出産を機に離職した潜在看護職員は約71万人に上ると推計されています。また、こうした潜在看護職員で看護職として再就職を望む人は約4割を占めるという調査もあります。看護職の不足は深刻化しており、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、現在より40万人多い約200万人の人材が必要になる見込みです。地域の医療人材確保のためにも、潜在看護師らの復職を積極的に後押ししていかなければなりません。しかし、潜在看護師らにとって復職を希望しても、家事・育児との両立が容易でない場合が珍しくありません。そこで、働きやすい環境づくりのために、院内保育所の整備を推進していくことが重要と考えます。  院内保育所は病院が独自に設置することが多く、認可外保育施設と位置づけられていることが一般的です。しかし、建築基準法、消防法や食品衛生法などの各種法令や各自治体の建築物に関する条例等を遵守する必要があるため、地方自治体が相談を受ける場合が多いようです。設置を強く推進するためにも、院内保育所を希望する病院に対して、設置方法や運営方法、保育ニーズの把握など必要な課題に、区としてきめ細やかに相談に乗る体制づくりが重要と考えます。  また、政府は来年度から主に従業員の子どもたちを預かる保育所を企業がつくる際、国が施設の運営費や整備費について認可保育所並みに直接助成する、企業主導型保育事業を本格的に実施し、事業所内保育所の開設を国を挙げて推進しています。この制度を利用して保育所を開設する場合には区は直接的な関与をしませんが、事業所内保育所が地域枠を設ける場合には、区内待機児童解消への貢献が期待できるので、地域枠について区の広報媒体などを通じて紹介できることなどの制度の周知に積極的に努めるべきです。  さらに、病児保育室を院内保育所と同時に運営している病院も全国には見られるので、国の病児保育事業に係る加算などを紹介しながら、病児保育室との同時設置も推進すべきではないでしょうか。  質問は、区として院内保育所の開設支援についてどのように取り組まれるつもりか、お伺いいたします。  次に、生活支援体制整備事業の生活支援コーディネーターについて伺います。  この整備事業については、「地域で高齢者の在宅生活を支えるために、公的な福祉サービスや、民間企業のサービス、さらに地域の支え合いで行われているサービスなど、各実施主体の連携や情報共有と介護保険外のサービスの活用が重要となります。そのため、区は会議体の設置や生活支援コーディネーターの配置など、高齢者の生活支援体制を整備する事業を実施し、さらに各サービス実施主体の連携等を強化して地域のニーズに沿った新たな生活支援サービスの構築や担い手の養成を行います。」とあり、その協議体として想定されている構成員の方は、社会福祉法人、シルバー人材センター、NPO法人、生活協同組合などの組織的に整備された地域のサービス提供主体と、ボランティア、民生委員、高齢者相談センター、生活支援コーディネーターなどの主に地域資源からなる2種類の方が主なものとなります。この協議体構成員となる方には、地域サービス提供主体に職員として加わっている方と、地域の中で信頼を得て役割を受けていただき個人で参加されている方がおります。法人や組合などの組織的な力と、地域を知る個人的できめ細やかな動きが相互に連携し、織りなす総合力によって養護や支援、見守りの必要な方へ、現在の個別に行われている生活支援体制を、新たに連携して日常の生活圏の中に築こうとするものです。  また、生活支援コーディネーターは社会福祉協議会に委託・設置され、その役割は、さまざまな資格、知見や経験、役割を持ち地域に住む、あるいは関係する人とともに、意思を通わせるサロン活動や、学習会、イベントなどを行います。そして問題点や情報の収集を行い、そこから地域支援につながる取り組みや、サービスの見直しを行い、地域に支援のネットワークを広げます。  港区ではオートロックのタワーマンションが急速に増えております。コミュニティや人間関係がその中だけで完結していては、区の人口は増えているものの、地域的な人のつながりは希薄となっていくという都心区のジレンマがあります。地域包括ケアシステムの中での生活支援体制整備事業は、地域の力をどのようにして生活の支援へと結びつけていくのか、裾野を広げる作業です。地域に人を引き寄せ、そのつながりを互いに守りあう、絆の強さに変えていく担い手が生活支援コーディネーターであり、その役割は大変重要であります。  港区社会福祉協議会に委託され、地域における生活支援体制を再構築していく、今後始まっていくこの事業について、区はどのように支援・連携をしていくのかお伺いいたします。  次に、口腔ケアと摂食嚥下機能向上対策の推進についてお伺いいたします。  口腔ケアは、誤嚥性肺炎だけでなく、発熱、認知症、心臓病、糖尿病などを予防する効果もあり、総医療費の削減にもつながると言われています。最期まで自分の歯でかんで食事をおいしくとれることは、生活の質を高め、健康を維持し、充実した人生を送る上で欠かせません。区民一人ひとりが口腔ケアの重要性、そして、摂食嚥下機能について理解を深めることが必要と考えます。  特に障がい者、高齢者の皆さんの生きる意欲をそがないためにも、入所、通所、各施設の支援者には、正しい口腔ケアと口腔機能向上のための摂食嚥下リハビリが行えるよう、継続的な研修が必要と考えます。  港区地域保健福祉計画においても、ライフステージに応じた口腔機能向上対策の推進として、「介護職員、家族に対して摂食嚥下機能推進に関する研修を実施するとともに、高齢者施設と連携し要介護高齢者に対する口腔機能の向上に向けた取組を行います」とあります。  今回の予算特別委員会でのご答弁では、区内高齢者入所施設11施設のうち、摂食嚥下リハビリテーションを実施している施設は5施設とのことでした。  平成27年に改定された介護保険報酬には、歯科と関連する加算として口腔衛生管理体制加算や口腔衛生管理加算が設けられました。介護保険施設にはこうした情報提供も行いながら、取り組みの促進を図るべきと考えます。  そこで、障がい者施設、高齢者施設での口腔ケアと摂食嚥下機能向上のための取り組みを推進することについて、区長の見解をお伺いいたします。  次に、交通安全の推進についてお伺いいたします。  交通安全については、これまで学校などで交通安全教育を受ける機会のなかった高齢者と、未来を担う子どもたちの2つの視点から質問いたします。  近年、高齢者のドライバーが引き起こす交通事故が増加しています。少子高齢化社会の到来による高齢者ドライバーの増大が高齢者の事故件数を増やす一因となっています。警視庁の統計によると、75歳以上の高齢者が起こした死亡事故は、2015年は全体の1割強も占めています。最近の報道では、高速道路を逆走したり、アクセルとブレーキを踏み間違えたりするといった、高齢者による重大事故が幾つも報じられています。  2009年の道路交通法改正で、75歳以上は3年に1度の免許更新時に認知機能検査が義務づけられました。しかし、この時点では、検査で認知症のおそれがあるとされても、そのまま更新されていました。そのため、2015年の改正では、認知症のおそれがあるとされた場合には、医師の診断が義務づけられ、その際、認知症と診断されれば、免許の停止や取り消しとなります。この改正は、明後日の3月12日の運転免許更新時から施行されます。  一方、運転に不安を持つ高齢者のために、免許の自主返納制度があります。運転免許証を返納すれば、身分証明書がわりにもなる運転経歴証明書が希望者に発行される仕組みです。  区では、高齢者の運転免許証の自主返納については、区内の警察署と連携し、平成21年度から3年間の期限を設け、運転免許証の自主返納の支援事業を実施したことがあります。また第10次港区交通安全計画においても高齢者の交通安全の確保を重点課題の1つ目に位置づけており、さまざまな機会に高齢者に対する安全運転の徹底や、運転免許証の自主返納の案内などの普及・啓発を実施しておられます。運転免許証の自主返納支援事業についても今後検討していかれるとのことでした。こうした高齢者の加害者も、事故に遭った被害者やそれぞれの家族もともに不幸になる現状を、何としても防がねばなりません。高齢者の運転免許証返納の推進や高齢者のかかわる交通事故の防止の取り組みが重要です。  そこで、質問は、今後、高齢者の交通安全確保の取り組みを具体化し、強化・推進すべきと考えますが、武井区長のお考えをお伺いいたします。  また、春の交通安全週間が近づいてまいりましたが、交通安全の取り組みに子どものころから触れ、訓練や活動を通じて、交通の決まりとマナーをしっかり身につけ、やさしさと思いやりのある心を持った人間づくりを目指している交通少年団に関してお伺いいたします。  現在、区内6警察署管内にある交通少年団員は、愛宕13人、三田18人、高輪27人、麻布18人、赤坂7人、湾岸4人の計87人ということです。全ての年代の区民が増加している港区にあって、交通少年団の団員が減少している状況は看過できません。団の活動を通じて周りの人々に交通安全を呼びかけ、交通事故の防止を図っていくという交通少年団の取り組みは、交通安全教室などの取り組みとともに並行して進めていくべき重要な取り組みであります。  そこで質問は、区としても、交通少年団の支援を強化していくべきと思いますが、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、小学校での交通事故防止の指導についてお伺いいたします。  公益財団法人交通事故総合分析センターによる事故データの分析によると、歩行中の交通事故の死傷者は小学1年生が際立って多くなっていると指摘されています。小学校への入学を機に親から離れての行動が増える一方で、外歩きの経験が浅く、危険を認知する力がまだ十分でないことが指摘されています。2015年までの5年間に歩行中の事故で死傷した小学1年生は8,944人、死者は33人となっており、入学時期に一気に増え、6年生になると4分の1に減少します。  少子化現象や通学路の安全対策と啓発活動、地域での見守りなどの取り組みで、年齢別死傷者の数は減少傾向にあるものの、小学1年生と重なる6、7歳が最も多い傾向に変わりはありません。2015年の調査では、7歳児の人口10万人あたりの死傷者数は約14人で、全年齢の3倍となっています。こうした事故の原因は、小学校1年生くらいまでは、興味のあるものに意識が集中してしまい、大人にとっては思いがけない動きをする傾向があると言われています。反面、死傷事故が小学1年生をピークに大きく減る現象は、子どもたちがどんな行動が危険かを学んでいくからではないかと指摘されています。小学校入学前後の時期に通学路の危険を確認することで、事故を未然に減らせるとも言われています。事故発生場所は、自宅から1キロ圏内が約80%、500メートル以内で約65%となっています。港区でも、学校に慣れ始めた5月から6月がピークですので、小学1年生の交通事故の指導、並びに教育が重要と考えます。  そこで質問は、小学校での交通事故防止の指導について、教育委員会のお考えをお伺いいたします。  最後に、特別支援教育について2点お伺いいたします。  平成27年度から、教育行政の責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携の強化等を目的とした新たな地方教育行政制度が始まりました。区では区長による港区総合教育会議を設置し、港区教育ビジョンを港区教育大綱に位置づけ、平成28年10月には、新教育行政制度のもとで、区長が青木康平教育長を任命しました。港区教育ビジョンは平成27年度から平成36年度までの10年間の港区の教育の根幹となる理念を示し、港区基本構想のもとにある港区基本計画との整合性を持ったものです。  このたびの区長の所信表明では、「障害の種類や程度に応じた丁寧な対応を行い、障害のある子どもたち、医療的ケアが必要な子どもたちの健やかな育ちを途切れることなく、支えてまいります」とありました。就学前から卒業後まで一貫した特別支援教育の推進についても大変期待をしています。  文部科学省の来年度予算には、特別な支援を必要とする子どもへの、就学前から学齢期、社会参加までの切れ目のない支援体制整備、そのための教育部局と福祉・保健・医療・労働等の部局が連携し、一貫した支援体制を構築する地域への補助金も計上されるなど、切れ目のない支援体制構築に向けた特別支援教育の充実を図ろうとしています。  そこで、1点目の質問ですが、区として特別な支援を必要とする子どもへの就学前から学齢期、社会参加までの切れ目のない支援体制をどのように整備、構築していかれるのか、区長の見解をお伺いいたします。  さて、教育ビジョンの個別計画として、1、学校教育、2、生涯学習、3、スポーツ、4、区立図書館サービス、5、子ども読書活動と、5つの推進計画が示されています。特別支援教育については港区学校教育推進計画に示されていますが、内容は大変抽象的で、どのように現状を把握するのか、課題に対しての具体的な取り組み方もわかりません。人口の将来推計からの今後の取り組みや、障害者の権利に関する条約や障害者差別解消法、合理的配慮などをどのように受けとめて施策に反映していくのでしょうか。関係部署や関係機関と連携した特別支援教育の方向性を丁寧に示すことも必要です。この教育行政の5つの個別計画期間は平成27年度から平成32年度の6年間ですが、来年度に中間の見直しが行われることになっています。  そこで2点目の質問は、この学校教育推進計画の見直しにあたり、特別支援教育のさらなる充実に向けて、今後どのような取り組みを行っていくのか教育長のお考えをお伺いいたします。  以上で終わります。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての池田たけし委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けたボランティアについてのお尋ねです。  区は現在、スポーツ、観光、語学など、分野ごとにボランティアの養成に努めております。区が主体となって今後ボランティアが活躍できる機会を積極的に創出してまいります。また、区内で活動する多くのボランティアが東京2020大会で活躍できるよう、東京都及び組織委員会へ積極的に働きかけてまいります。また、ボランティアの拡大に向けましては、ボランティアの意義や魅力をより多くの区民の皆様にご理解いただくための周知・啓発を行い、各分野のボランティアを有機的に結びつけ、区民がさまざまなボランティアにチャレンジし、スキルが向上できるよう取り組んでまいります。  次に、落書きのないまちづくりの推進についてのお尋ねです。  区は落書き消去を一層推進するため、区民の皆様に消去スプレーなど必要な物品を支給するとともに、壁面の状態などにより消去が容易でない落書きについては専門事業者を活用するなど、落書きを確実に消去できる仕組みを整えます。あわせて電柱や街路灯などへの落書きにつきましては、その管理者に対し速やかな消去を働きかけてまいります。  これらに加え、地域での効果的なアート作品の活用や防犯パトロールの推進など、落書きの予防にも取り組むことで、落書きのない安全・安心なまちづくりを推進してまいります。  次に、災害時に備えたオストメイトへの支援についてのお尋ねです。  区では、ストーマ装具のほかに、各区民避難所において、ストーマ装具の洗浄時にプライバシー確保にも活用可能となる屋内テントを備蓄しております。また、区民、区職員、障害福祉サービス事業者の職員などを対象とした、障害児・者を支援している人への研修において、来年度は、オストメイトや医療機関の協力も得て、ストーマ装具への理解を深めるための2回目となる研修を実施いたします。今後も災害時に適切な支援ができるよう、ストーマ装具など備蓄の拡充とともに、職員や避難所運営に携わる地域防災協議会のストーマに関する知識の習得を進めてまいります。  次に、病院内保育所への支援についてのお尋ねです。  病院や診療所に従事する職員のための病院内保育所の整備は、待機児童解消のほか、医療従事者の離職防止や再就職を促進できることから重要であると考えております。病院内保育所の整備等を行う場合には、区の認可事業である事業所内保育事業、国の企業主導型保育事業、東京都の病院内保育所施設整備補助事業などのいずれかの補助を受けることが可能です。病院内保育所の開設についての相談にあたりましては、これらの制度を紹介し丁寧に対応してまいります。  次に、生活支援コーディネーターについてのお尋ねです。  区は、本年4月から、地域で高齢者の在宅生活を支えるために、福祉の専門職である生活支援コーディネーターを配置し、社会福祉法人や民間企業などの地域の関係機関とともに、生活支援体制の整備に取り組んでまいります。また、生活支援コーディネーターが町会・自治会や商店街などに積極的に出向いて、サロンなどの地域における自主活動や生活支援ニーズなどの情報を収集し、ボランティアなどの担い手の養成や新たな生活支援サービスなど高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できる支援体制の構築に取り組んでまいります。  次に、口腔ケアと摂食嚥下機能向上対策の推進についてのお尋ねです。  区は、口腔ケアと摂食嚥下機能の重要性について、障害者施設及び高齢者施設の入所者の家族を対象とした講習会を開催するとともに、医療と福祉の連携に関する研修などを通じ、施設職員への啓発を進めております。また、施設入所者を含む65歳以上の区民を対象としたお口の健診では、摂食嚥下機能に関する項目を取り入れ、機能低下の早期発見に努めております。今後はこうした取り組みをさらに充実させるとともに、障害者施設や高齢者施設に必要な情報を提供し、施設利用者の口腔ケアと摂食嚥下機能の維持向上に努めてまいります。  次に、交通安全の推進についてのお尋ねです。  まず、高齢者の交通安全の確保についてです。港区の交通事故死傷者数は年々減少しておりますが、高齢者の交通事故死傷者数は毎年150人前後で推移しており、高齢者の交通安全対策は急務です。区はこれまで、いきいきプラザなどで交通安全のポスターを掲示し、シール式反射材やチラシを配布するなど啓発活動を実施してまいりました。今後、高齢者の交通安全対策を一層強化するため、区内警察署と連携し、いきいきプラザでの交通安全教室の開催や、高齢運転者の運転免許証の自主返納を促す新たな支援策を検討してまいります。  次に、交通少年団の活動支援についてのお尋ねです。  交通少年団は、子どもたちが主体となり、交通安全活動などを通じて交通ルールやマナーを身につけることを目的として組織され、区内各警察署の交通安全協会に属しております。近年、団員数が減少し、活動が低調化していることは、各警察署の交通安全協会からお聞きしております。区は各交通安全協会の円滑な運営と健全な発展を図ることを目的に補助金を交付しており、平成29年度予算では、交通少年団活動費を充実いたしました。今後も引き続き、交通少年団の活動を支援してまいります。  最後に、特別な支援を必要とする子どもへの切れ目のない支援についてのお尋ねです。  区では、特別な支援が必要な子どもを発達支援センター等での相談や、みなと保健所での乳幼児健診などを通じて早期発見し、早期支援につながるよう取り組んでおります。また、特別な支援を必要とする子どもたち一人ひとりのライフステージに応じ、児童館や保育園、幼稚園、学校などの関係機関が連携した個別支援会議を通じて、適切で効果的な支援の実施に努めております。今後とも特別な支援を必要とする子どもが地域の中で安心して成長し、社会生活が充実したものとなるよう、切れ目のない支援を行ってまいります。よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(青木康平君) ただいまの公明党議員団を代表しての池田たけし委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、小学校での交通事故防止の指導についてのお尋ねです。  現在、各学校では、日常的な登下校時の注意喚起はもとより、月1回安全指導日を設け、交通安全について指導しております。特に小学校1年生につきましては、入学して間もない4月から6月にかけて、警察署と連携した交通安全教室を学校ごとに開催しております。交通事故を未然に防ぐために、実際の通学路を使っての横断歩道の渡り方、ガードレールがない歩道の歩き方、雨の日の傘を差しての歩き方などを指導しております。このような指導の効果もあり、港区では、小学生の負傷者は年々減っている状況にあります。引き続き、子どもの交通安全についての意識を高め交通マナーを守るとともに、みずから危険を予測して安全に行動できるよう指導に努めてまいります。  最後に、特別支援教育のさらなる充実についてのお尋ねです。  教育委員会では、障害者差別解消法の施行を踏まえ、障害のある子と障害のない子がともに学び、ともに育ち合うことの重要性を教職員が認識するための講演会や研修会を実施してまいりました。また、平成28年4月からは、通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする児童を対象とした特別支援教室を全小学校に設置し、これまで以上に専門的できめ細かな指導を行っております。今後は、港区学校教育推進計画の見直しの中で、発達支援センター相談室や子ども家庭支援センターをはじめとした区の関係機関や、都立特別支援学校との連携をさらに深め、就学前から将来の自立までを見据えた、個に応じた質の高い特別支援教育が実現できるよう、具体的な取り組みを検討してまいります。よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○委員(池田たけし君) ありがとうございました。質問を終わります。 ○委員長(池田こうじ君) 公明党議員団の総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(池田こうじ君) 次に、共産党議員団を代表して、熊田委員。 ○委員(熊田ちづ子君) それでは、日本共産党港区議員団を代表して、総括質問を行います。  ヒバクシャ国際署名、平和首長会議が呼びかけている署名についてです。  本会議でも、予算各款審議でも質問しました。今後、核兵器禁止条約交渉会議が国連本部で始まり、実効性のある法的措置などが議論され、秋の国連総会に報告されます。今回の交渉会議で、核兵器禁止条約の締結へ、核保有国政府を核兵器禁止条約に巻き込んでいく必要があります。唯一の戦争被爆国である日本で、ヒバクシャ国際署名、平和首長会議の要請署名がどれだけ集まるかが決定的です。区のホームページから、これらの署名にわかりやすくアクセスでき、核兵器廃絶に関する署名に多くの区民が署名しやすくする工夫を求めます。あわせて、区長が率先して署名することを重ねて強く要望します。  質問に入ります。  麻布米軍ヘリポート基地撤去50周年の取り組みについてです。  昨年の決算特別委員会でも質問しました。ことしは港区議会が最初にヘリ基地撤去の決議をしてから50周年の節目の年です。区と港区議会と区民が一体となって撤去運動をしてきた経過からも、節目の年としての企画を組み、運動していきたいと私たちも思っています。区として、どのような節目の取り組みをするのかお答えください。  議長と各会派の皆さんにもお願いします。区議会が基地撤去決議をして50年の年にふさわしく、可能な範囲で、議会としての意思表示をする集会や行事など工夫できないか、知恵を出し合って具体化するようお願いいたします。  次に、震災復興基金の活用についてです。  今定例会に、港区震災対策基金条例の一部を改正する条例が提案され、可決される見通しです。条例では、この基金を震災後の区民生活の再建並びに産業及びまちの復旧復興に要する経費の財源に充てると規定しています。4月以降500億円を基金に積み立て、今後5年間で1,000億円を積み立てます。震災後、国や東京都からの支援・助成を待つのではなく、区として速やかに復旧・復興を目指すということです。区民生活と産業、まちの復旧・復興を目指すわけですから、例えば、住宅再建の国の基準は全壊で300万円などと現行制度はなっていますが、港区として上乗せすることが望まれます。区もその立場でこの基金を立ち上げたと思います。区長の見解を求めます。  区職員などが健康で働ける環境づくりについてです。
     この間も何回か質問してきました。他の会派からも、健康問題や長時間労働を改善する質疑もありました。区長部局も教育委員会も、安全衛生委員会の活動を強め、安全衛生ニュースもそれぞれ発行されています。教育委員会では、全体の安全衛生委員会を定例化し、50人以上の教職員が働く学校では衛生委員会が開催され、取り組みが強まっています。区長部局でもさまざまな取り組みが始まり、それら全体としての努力は一定評価いたします。しかし、問題が解決したわけではありません。例えば、メンタルヘルスで休職している方は合計で22名もいます。残業時間で見ても、2014年度は月残業時間が80時間を超えた方が127名、うち100時間超えが38名。年間残業時間の最大の方は970時間です。2015年度では、80時間超えが118人、うち100時間超えが43人。年間最長の残業は756時間です。こうした残業時間は過労死危険水域を超えており、異常と言わざるを得ません。現状認識と改善の対策について区長の見解を求めます。  厚生労働省が、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインを定めました。使用者が労働時間を適正に把握すること、労働時間管理の責任を負うことなどを定めました。労働時間の考え方では、業務に必要な準備作業や着がえ時間、作業終了後の清掃などの後始末も労働時間に含まれます。使用者の指示で待機している待ち時間、研修・教育訓練の受講や使用者の指示により行った学習時間なども労働時間となります。  また、労働時間を適正に把握するための使用者が講ずべき措置について、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻の確認・記録、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録を基礎として確認し適正に記録すること。自己申告制により残業時間の管理を行う場合でも、本ガイドラインを労働者に説明することや、自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かを入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、職場内にいた時間のわかるデータで確認し、このデータで把握した時間と自己申告された労働時間に著しい乖離が生じたときには実態を調査し、所要の労働時間の補正をすること等々、使用者が詳細に労働時間管理を責任を持って行うことを示しました。いわゆるサービス残業を根絶する措置です。港区でもこのガイドラインにのっとり、しっかり労働時間管理を進めていると思いますが、取り組み状況や実際に取り組んでの教訓などについて報告を求めます。  現行の36協定は、残業時間の上限を1日6時間、月40時間、年150時間と定めています。しかし、特例規定が設定されており、1日14時間30分、月110時間、年720時間まで残業ができることになっています。この特例は、首都直下地震や大規模な自然災害が起こったときに、区の職員がそれこそ区民の命と財産を守るために、深夜でも休日でも活動することが想定されているのだと思います。また、システムや施設の重大な故障などが発生し、そのまま放置したら区民の命と暮らしに重大な支障が出るときに適用されるのだと推測します。平常の仕事の中で、この特例が適用されることはないと確信します。答弁を求めます。  もし日常的な仕事の中で、1日6時間、月40時間、年150時間の36協定を超える残業が常態化していれば、それは職場体制の見直しや人員を補充すべきです。区長の答弁を求めます。  住宅地における飲食店等の深夜営業による騒音等の規制についてです。  区内の閑静な住宅地に飲食店が進出し、店内からの騒音、飲食後に店を出た客の話し声や笑い声等による被害は耐えがたいものです。南青山五丁目の飲食店による被害は約2年間続いています。環境課の担当者がいろいろ頑張ってはいますが、業者がなかなか指導に従わず、いまだに解決の見通しが立っていません。余りのひどさに住民が注意すると、営業妨害だなどと恫喝することもあるそうです。今までどおりの指導では解決できません。東京都の都民の健康と安全を確保する環境に関する条例第137条に基づく勧告を行うこと。勧告に従わない場合は、第139条に基づき停止命令を行うべきです。答弁を求めます。  住宅地への飲食店の進出が区内のあちらこちらで問題になっています。営業許可はみなと保健所、騒音などは環境課、建築問題は建築課では、区民の安全・安心は守れません。環境の悪化で住みなれた地から転居するという事態も起きかねません。庁内での連携を強め、住宅地での飲食店の深夜営業を規制する対策を検討すべきです。当面の対策として、営業許可の際、環境確保条例第132条、深夜の営業等の制限、第133条、夜間の静穏保持の内容が理解できるような簡易なパンフレットを作成し配るべきです。それぞれ答弁を求めます。  台場地域に移動するホームヘルパー支援策についてです。  本特別委員会審議の中で、台場地域に移動するホームヘルパー支援の質疑がありました。私たちも支援策が必要だと思います。レインボーブリッジを渡って台場へ行くには、品川駅または田町駅からのお台場レインボーバスで210円かかります。ゆりかもめで移動するには、新橋駅からも、竹芝駅からも、320円かかります。ですから、介護事業者やホームヘルパーは、交通費をかけて台場地域には行きづらいのです。事業者によっては交通費の半額支給もありますが、それでもヘルパーの個人負担が出ます。台場地域の移動手段の特殊性を考慮し、区として、台場地域へ移動するヘルパーへの交通費補助を実施して支援すべきです。答弁を求めます。  都有地を活用した保育園建設についてです。  待機児童解消策として、東京都が提案してきた都有地を認可保育園用地として活用したい旨の答弁がありました。2017年4月の認可保育園入園希望者の1次発表を見ても、2,217人に対し内定が出た方は1,313人と、4割が入園できません。区立の認可保育園を整備すべきと求めたのに対し、保育・児童施設計画担当課長は、区立・私立認可保育園の適正バランスを考えて整備するとの答弁でした。区内の保育園は68園中、区の直営は15園で、残り53園は指定管理者含む民間の保育園と、民間保育園が圧倒的多数になっています。直営の保育園の果たす役割として、区全体の保育の質の向上のために経験を積んだ保育士のノウハウやスキルを他の保育園に継承する役割を担うと、港区の今後の保育行政のあり方で位置づけています。こうした役割を担うためにも、区の保育士の育成も重要です。そのためにも公設の保育園として整備すべきです。答弁を求めます。  浜松町一丁目の用地は幹線道路に面し、東新橋二丁目の用地は線路に近い場所です。子どもたちが長時間過ごす環境を整えることが重要です。音を吸収する特殊な吸音材を天井や壁の内装に使うことで、外部の交通騒音や中の子どもたちの声の響きを和らげる対策にもなるとのことです。吸音材の活用も検討し、良好な保育環境とすべきです。答弁を求めます。  新橋はつらつ太陽で実施している重症心身障害者通所事業あおぞらについてです。  あおぞらは、港区が新橋はつらつ太陽に委託している事業です。目的は、在宅の重症心身障害者に対し、通所の方法により、地域での生活に必要な支援を行うことによって、重症心身障害者の福祉の向上に資することとしています。  区長は覚えておられるでしょうか。重度の障害を抱える娘さんの人間としての尊厳を守り、人間としての成長と生活を支えるために、ぜひ、港区で通所できる場所を確保してもらいたいと、大きな車椅子に乗った娘さんとお母さんが区長室を訪ね、区長に直接お願いしました。それがきっかけでこの事業が始まりました。  2月に、保護者に週1日に利用制限する旨の通知が連絡帳に挟まれてきてびっくりです。週3回通っていることで娘さんと介護しているお母さんが何とか生活できているが、週1日になったら倒れてしまうと訴えがありました。理学療法士と支援員が退職する見込みが理由のようです。これは港区の事業です。現在通っている人が従来どおり通えるよう、予算措置も含め、1日も早く人材が確保されるようにすべきです。区も努力・協力を惜しまないこと。答弁を求めます。  精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給することについてです。  民生費の質疑の中で経済面での支援への要望が強いことを認めました。港区保健福祉基礎調査報告書では、現在あなたが生活の中で困っていることについての問いには、生活費など経済的なことが53.8%と断トツとなっています。年齢別の分析でも、18歳〜29歳が61.5%、30歳〜39歳が53%、40歳〜49歳は62.4%、50歳〜64歳は51.3%と、ほとんどの年代で経済的な悩みを持っていることが調査結果からはっきりしています。1年間の収入調査では、年収200万円未満が60.6%、100万円未満が38.1%にもなっています。同じ調査で、仕事をしていない理由は、50.9%と半数の人が病気のためです。次に、障害が重いためと答えた方が26.6%です。生活が大変で、働きたくても働けない方が8割近くもいます。区の調査でも、収入が少なく生活が大変な方が多いことがわかります。23区で7区が実施です。憲法にも障害者の権利条約にも反する差別はやめ、精神障害者の方にも心身障害者福祉手当を支給すべきです。答弁を求めます。  国民健康保険料の区民への影響についてです。  国民健康保険料は、統一保険料方式をとっているため、特別区長会で合意の上で各区が条例提案をしています。2017年度の保険料については、特別区長会総会では、住民負担が大き過ぎるとの声が上がり、意見がまとまらず、正副会長一任となったと聞いています。この条例が仮に通れば15年連続の値上げ、この5年間で金額・率ともに最高の値上げ幅になります。上がり続ける保険料、低所得者への区民負担増に対しての区長の認識をお聞きいたします。  環状第4号線道路計画についてです。  環状第4号線は、昭和21年3月26日に戦災復興院がアメリカ軍の空襲で被災した全国諸都市の戦災復興事業として決めたものの1つです。東京都は一昨年8月と9月に環境現況調査を実施するとの説明会を行い、住民の合意なしに環境現況調査を行いました。その後、都市計画変更素案をまとめ、住民説明会を計画しています。この計画は、プラチナ通りから品川駅まで、住宅が密集している地域でその敷地を道路にし住民を追い出す、ひどい計画です。被害を受けるのは道路になる敷地の人だけではありません。道路ができることで、沿道の人は、騒音、振動、排気ガス等々、深刻な影響を受けることになります。この地域にお住まいの方々は、現状のままで何の不自由もありません。先に計画ありきでなく、住民の納得と合意がないまま計画を進めないよう、東京都に強く要請すること。答弁を求めます。  汐留地区都道481号の階段設置中止についてです。  汐留地区土地区画整理事業I街区に計画されていた区街2号線への歩道橋階段設置工事が、近隣住民への説明後にとの約束を破って、6日に突然強行着手しましたが、近隣住民の抗議を受け中止しました。利便性の向上などを目的としていますが、既に設置されている階段を利用する人は1日数人ですから、設置の必要がありません。1億円近いと言われる工事費が無駄になるだけでなく、近隣住民にとっては、歩道が狭くなったり住環境の悪化になり、反対の表明がされ東京都との交渉中でした。東京都に対し、近隣住民への説明を尽くすこと、利用者もなく設置する必要がないのですから、中止を含めた検討をするよう申し入れること。答弁を求めます。  就学援助の入学準備金についてです。  就学援助の入学準備金の基準額を、国は来年度予算で2倍に引き上げます。就学援助の目的は、経済的な理由により就学困難な児童・生徒の保護者に対し、必要な援助をして義務教育を円滑に実施するものです。子どもの貧困問題が社会問題化する中で、港区も中学校の入学準備金の支給時期を、準備するときにあわせて2月支給に改善しました。今、国をはじめ社会全体が子どもの貧困問題に心を痛め、改善のために真剣に取り組んでいます。ところが、教育費の質疑で、正式な通知が来たらすぐに支給できるよう求めたのに対し、教育委員会は、特区財政調整や他区の動向を注視しながら調査するというもので、就学援助制度の意味を理解しての答弁か疑いました。  改めて質問します。要保護・準要保護の対象者に対し、正式の通知が来たらすぐに支給できるよう準備すること。4月から中学校に入学予定の要保護・準要保護の生徒に対しては、入学準備金が2月に支給されています。正式な通知が来たら、早急に加算分を支給すること。答弁を求めます。  授業で使う柔道着は教育委員会が用意することについてです。  武道の必修化に伴い、柔道を選択する学校と剣道を選択する学校があります。剣道の防具等は学校で用意しています。剣道を選ぶ学校と柔道を選ぶ学校とで、保護者間の不公平が生じています。また、柔道着は3つの中学校では学校で用意し、4校が個人購入です。学校による対応が異なっており、保護者負担の公平性を欠いています。柔道をやる時間は3年間でわずか30時間足らずです。前々から提案しているように、学校配当予算でなく、レンタル方式も含め、必要着数の全てを教育委員会で用意すべきです。答弁を求めます。  都立品川北ふ頭公園の整備についてです。  雑草が伸び放題、その都度草刈りをお願いして対応してもらっています。素早い対応に皆さん感謝しています。根本的には土の入れかえが必要です。東京都によく相談し、シーズンオフに全面改修、土の総入れかえを行うべきです。ここは台場にあった10面のグラウンドが臨海部開発によってなくなった代替としての場所です。東京都にも責任があるのですから、費用負担も含めて相談すべきです。答弁を求めます。  小規模・中規模の町会支援策について要望いたします。先ほど、自民党議員団、それから、みなと政策会議の総括質問の中で、町会支援について質問がありました。私どもも大賛成です。私たちは、昨年の決算特別委員会で、町会の支援策を質問しました。町会運営は本当に厳しい状況です。特に小規模・中規模の町会の支援が必要です。小さな町会に手厚くなるような補助金の新設などの検討を進めるべきです。区として、議会側からの質問や要望をよく生かしていただき、速やかに対処、具体化するよう要望して、質問を終わります。  答弁によっては再質問することを申し述べて終わります。 ○委員長(池田こうじ君) この際、お諮りいたします。議事の運営上、時間を延長したいと思いますが、ご異議ありませんか。                (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○委員長(池田こうじ君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、麻布米軍ヘリポート基地撤去50周年の取り組みについてのお尋ねです。  これまで区は、基地撤去の要請を港区議会と区民の皆さんとともに継続して行ってまいりました。現在、これまでの要請行動の変遷や、基地の沿革や概要、基地が存在することによる近隣住民の声などを区のホームページで掲載することや、リーフレットの作成について準備を進めております。こうした取り組みにより、基地の実態を広く周知し、多くの区民に返還の取り組みにご理解・ご協力いただくことを大きな力として、引き続き、基地の早期撤去を要望してまいります。  次に、震災復興基金の活用についてのお尋ねです。  震災復興基金は、区民生活の再建、中小企業の事業の再開や継続、小・中学校や公共施設などインフラなどの復旧・復興を、国及び東京都に先駆け、区が速やかに実施するために活用いたします。活用に当たりましては、復旧・復興状況に応じて、国の制度への上乗せなども含め、必要な支援が可能となるよう柔軟に対応してまいります。  次に、区職員が健康で働ける環境づくりについてのお尋ねです。  まず、超過勤務の現状認識と改善の対策についてです。超過勤務の縮減は組織運営上の喫緊の課題であり、仕事の進め方の抜本的な見直しと、全職員の意識改革が必要であると認識しております。職員の健康で働きやすい職場づくりを実現するため、超過勤務の縮減やメンタルヘルス対策を一層推進してまいります。  次に、ガイドラインの取り組み状況や教訓についてのお尋ねです。区は、勤務状況を管理するシステムを活用し、職員の勤務時間を適切に把握しております。また、職員が超過勤務を行う際には、管理職が業務内容を把握した上で、事前の申請と事後の確認を徹底しております。  次に、36協定の特例協議の適用についてのお尋ねです。36協定の特例協議は、みなと保健所における食中毒対策や感染症対策など、臨時または緊急の業務が生じた場合に行っております。今後も、職員の適正な労働時間の管理に取り組んでまいります。  次に職場体制、人員の補充についてのお尋ねです。職員を配置するに当たっては、業務量や今後の事業展開の見通しを把握し、ICTの活用などによる業務の効率化を勘案した上で、適正な人員を配置することが必要と考えております。今後も、職員が働きやすい職場環境の整備を図るとともに、行政需要に迅速かつ的確に対応していくために必要な組織体制の構築と、適正な職員配置を行ってまいります。  次に、住宅地における飲食店の深夜営業による騒音等についてのお尋ねです。  まず、南青山五丁目の飲食店の騒音への対応についてです。区は、当該飲食店の騒音について、現場での騒音測定を行うとともに、指導を続けた結果、具体的な改善工事についての提案を受け、現在、早期の解決に向け協議を進めているところです。今後、改善の見込みがない場合は、勧告や停止命令も視野に対応してまいります。  次に、住宅地における飲食店の深夜営業の規制についてのお尋ねです。区は、飲食店の深夜の騒音等について、東京都の都民の健康と安全を確保する環境に関する条例や、食品衛生法施行条例に基づく指導のほか、建築相談など、環境課が中心となり、庁内の連携を強めながら適切かつ強力に指導しております。今後も、区民が健康で安全かつ快適に生活ができるよう、必要な環境の確保に努めてまいります。  次に、深夜営業を行う飲食店に対するパンフレットの作成についてのお尋ねです。深夜営業する飲食店などが、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例に規定されている深夜の営業等の制限や、夜間の静穏保持について十分に理解できるよう、わかりやすいパンフレットなどを作成し、営業許可手続の際に事業者に配付してまいります。  次に、ホームヘルパーの支援策についてのお尋ねです。  介護サービス事業の実施地域内で、ホームヘルパーが移動に要する交通費については、介護報酬の中に含まれておりますが、台場地域に移動するホームヘルパーの実態については、港区介護保険事業者連絡協議会を通じて把握に努めてまいります。  次に、都有地を活用した保育園建設についてのお尋ねです。  ご質問にありました都有地2カ所を活用した保育園整備を現在検討中でございますが、その運営については、今後の具体的な計画の中で検討してまいります。  次に、良好な保育環境とすることについてのお尋ねです。区は、保育園の整備に当たりまして、子どもたちが長時間快適に過ごせるよう、また、午睡などの時間を妨げないように交通騒音などを和らげることは、良好な保育環境の充実を図る上で望ましいことと考えております。今回、東京都に対して活用の意向を要望している東新橋二丁目の用地や浜松町一丁目の用地は、幹線道路に面していることなどから、園児たちに対する騒音への対策が必要であると認識しております。これら用地を活用し、保育園を整備する場合は、適切に騒音への対応してまいります。  次に、重症心身障害者通所事業あおぞらについてのお尋ねです。  区では、重症心身障害者が日中、安全・安心して過ごせる場所として、看護師、理学療法士などの専門職を設置したあおぞらを、新橋はつらつ太陽で実施しておりますが、職員の欠員により、今月から一時的に受入人数を制限しております。新橋はつらつ太陽では、早急に人材を確保できるよう努めております。区は、現在通所している方に対し、在宅サービスについてのご相談に対応するなど、できる限り家族介護の負担が軽減できるよう努めてまいります。  次に、精神障害者への心身障害者福祉手当の支給についてのお尋ねです。  国は、経済的な支援として全国民を対象とした制度として、障害者に対して障害年金や特別障害者手当などの支給、生活保護制度による加算措置などを行っております。区では、こうした個別の金銭給付では実現が難しい生活環境の整備や障害者の種別や重さなど、状況に応じてサービスをきめ細かく提供することを施策の柱に据えております。精神障害者に対しては、その障害特性に応じた働き方ができるよう、みなと保健所の喫茶軽食コーナー、高輪地区総合支所の福祉売店などの働く場の確保や、みなと障がい者福祉事業団における就労支援を強化しております。さらに、あいはーと・みなとの相談支援体制の充実、居住の場であるグループホームの整備、心のバリアフリーの推進などの施策を推進してまいります。  次に、国民健康保険料の区民への影響についてのお尋ねです。特別区では統一保険料方式をとっており、低所得者に対しては、世帯の総所得金額に応じ、均等割額を7割減額、5割減額、2割減額としております。また、来年度の保険料率を決めるに当たっては、高額療養費の算入率を抑えるなど、可能な限り保険料上昇を抑制いたします。また、特別区長会では、昨年12月26日に、国に対し低所得者の負担が増加しないよう、低所得者層へのより一層の保険料負担軽減を図るための財政措置を講ずることを要望しております。  次に、環状第4号線道路計画についてのお尋ねです。  区では、環状第4号線道路計画に対して、昨年5月に、区民等の意見に十分配慮するよう東京都に要望いたしました。また、本年2月に環状第4号線の計画協議の際に、計画地及び沿道の区民に対して、丁寧に対応することの条件を付して回答いたしました。今後も東京都に対し、さまざまな機会を捉えて、地域にお住まいの方に丁寧な説明を行うとともに、意見や要望を十分聞くよう要望してまいります。  次に汐留地区の区街2号線にかかる歩道橋階段設置工事についてのお尋ねです。  まず、近隣住民への説明についてです。汐留地区では、歩行者デッキや歩道橋により、地区内外を結ぶ歩行者ネットワークを、東京都が施行する土地区画整理事業で整備しております。お尋ねの階段は、東京都が管理する区街2号線に設置されるもので、近隣住民への説明を行った上で本年3月から東京都が工事に着手しております。今後も、東京都に対しましては、引き続き近隣住民の方に対し丁寧な説明を行うよう伝えてまいります。  最後に、階段設置の必要性と東京都への申し入れについてのお尋ねです。浜松町駅周辺では、汐留地区にとどまらず、駅を中心として、竹芝地区や浜松町駅西口地区につながる歩行者ネットワークの整備が進められており、この階段も浜松町駅につながるネットワークの一部を担っております。このため、東京都への中止の申し入れは考えておりませんが、今後も近隣住民の方々に、引き続き丁寧な説明を行うよう伝えてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、就学援助についてのお尋ねです。  まず、新入学学用品・通学用品費の見直しについてです。教育委員会では、これまで、いわゆる入学準備金である新入学学用品・通学用品費の支給につきましては、都区財政調整制度の金額に基づき決定してまいりました。平成29年度の都区財政調整制度では、新入学学用品・通学用品費の金額は見直しされていないため、区の予算案もこれまでと同じ単価にしております。また、現在ほとんどの区が、同様に都区財政調整制度の金額に基づき決定しております。今後は、国の予算案の動向を注視するとともに、他区とも連携し、都区財政調整制度の単価の見直しと、それに伴う新入学学用品・通学用品費の金額について検討する必要があると考えております。  次に、早急に加算分を支給することについてのお尋ねです。教育委員会では、小学校6年生の保護者が中学校入学前に標準服や学用品を購入できるように、今年度から、これまで7月に支給しておりました中学校の新入学学用品・通学用品費を、2月に支給いたしました。新入学学用品・通学用品費の支給につきましては、都区財政調整制度の金額に基づき決定しているため、現段階では加算分の支給は考えておりませんが、今後、国の予算案の動向を注視するとともに、他区とも連携し、都区財政調整制度の単価の見直しと、それに伴う新入学学用品・通学用品費の金額について検討する必要があると考えております。  次に、柔道着を教育委員会が用意することについてのお尋ねです。  体育の授業で使用する柔道着につきましては、安全面や衛生面などを考慮し、体操着や水着などと同様に、自分の体に合ったものを各自の負担で用意していただくことが基本であると考えております。柔道着を個人で購入している学校では、安全面や衛生面に加え、卒業後も高校で使用が可能であることをその理由としております。一方、柔道の授業時間が3年間でおおむね30時間程度と短時間であることから、公費で購入した柔道着を複数の生徒に貸与している学校もあります。このように、それぞれの学校の考えに基づいて柔道着を用意していることから、今後も各学校の意向を尊重することとし、教育委員会が一律に用意することは考えておりません。なお、経済的に困窮している方につきましては、引き続き、就学援助制度の中で柔道着の購入費用を実費支給してまいります。  最後に、都立品川北ふ頭公園のグラウンド整備についてのお尋ねです。  都立品川北ふ頭公園は、野球やサッカーなどのスポーツのほか、緑地部分では親子で遊んだり、寝ころんでストレッチをするなど、さまざまな方が多目的に利用しております。平成元年6月5日に東京都から示された当公園の利用条件では、当施設は公園であり、利用者の限定・制限をせず、利用者間の調整を図り適切な運用をすることになっております。また、費用負担については、グラウンド整備は東京都と協議の上、区で施行することとなっております。このことから、教育委員会では、グラウンド部分につきましては、年1回の土の入れかえと、緑地部分については年4回の草刈りを実施しております。今後も、利用者の皆様から幅広くご意見を伺いながら、必要に応じて東京都とも協議し、全ての利用者が快適で安全に利用できるよう適切に対応してまいります。よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○委員(熊田ちづ子君) 何点か再質問させていただきます。  職員の増員等については、これは要望なのですけれども、港区の人口が増えて、そして、行政サービスの施設も増えています。私立認可保育園とか、発達障害の放課後等デイサービスの施設なども非常に多く、そういった外の施設とも行政側がかかわることが非常に増えていて、従来どおりの形ではないと思います。それについては、ぜひ、職員の過重にならないように、適正な職員の増も含めて検討してもらいたいということを要望しておきます。  台場地域のホームヘルパーへの交通費補助なのですが、要介護者の数だとか、サービス利用者の数が、芝浦港南総合支所としてのデータしかなくて、台場地域にどれだけというのが、正確なデータが実はありませんでした。65歳以上の人口は603名、そのうちひとり暮らしは93名、これははっきりしています。それで、今までの要介護認定者数と、介護サービスをどれぐらいの人が使うかといういろいろなデータで出しても、一定の数の人はいらっしゃるわけです。先ほどの答弁ですと、協議会を通じて把握するということでしたが、まず実態を調べて、本当にヘルパーさんたちの負担になっているということですので、これについても、ぜひ、前向きに取り組んでいくということで、もう一度答弁いただければと思います。  それから、都有地を活用した保育園なのですけれども、今後の検討だと区長は言われました。それで、港区子ども・子育て会議の中でも、港区の保育園の数については、量だけでなく質についてかなりの意見が皆さんから出されています。質をきちんと守ってほしいということです。それから、区が考え方として示しています、港区の今後の保育行政のあり方について、これは、質と量の両面から保育行政の充実を図りますということなのですけれども、公立・私立のバランスを見ると、先ほども示しましたけれども、圧倒的に公立は少ないわけです。芝地区で見ても、認可保育園と港区保育室あわせて11園ありますが、区の直営は2園、残り9園は民間です。この間、私立と公立が整備してきた施設では、保育環境の格差は歴然としています。これから整備する保育園については、保育環境を充実できる公立保育園を整備していくというようにお願いしたいと思いますので、ぜひこれは答弁をいただきたいと思います。  それから、就学援助なのですけれども、これは確かに、来年度の予算を作成するときにこういった情報がなかったのかもしれません。それで、この制度から考えて、平成29年度の予算では旧のままの金額で出しているのでしょうけれども、この制度の考え方と、今、子どもたちの貧困、経済的な支援をしていこうという考え方からすれば、特区財政調整を待つとか、ほかのところを待つということではなくて、やはりこの基準が上がったとき、区がきちんと支給するという姿勢を示すべきだと思いますので、これについて改めて答弁をお願いしたいと思います。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子委員の再質問にお答えいたします。  ホームヘルパーの支援策についてでございます。  ホームヘルパーが移動に要する交通費につきましては、介護報酬の中に含まれており、金額の多寡にかかわらず介護事業所が負担するものであります。先ほどのお話にありました台場地区の実態などにつきましては、実態の把握に努めてまいります。  最後に、今回の都有地を活用した保育園建設についてのお尋ねです。  これまで、港区におけます保育需要は急速に増大いたしました。区としても全力で定員拡大に取り組んでまいりました。それと同時に、委員がご指摘のとおり、質を確保することも大変重要であると考えております。そしてまた、区立・私立を問わず、この質を確保するために、区立保育園では特に、園庭やプールの貸し出しなど、私立保育園あるいは認証保育所等の保育施設に対する支援もしているところでございます。今後、整備に当たりましては、こうしたことも考えあわせながら、ふさわしい設置形態について検討してまいります。よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる再質問については、教育長からお答えいたします。 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子委員の再質問にお答えいたします。  新入学学用品・通学用品費の見直しについてです。  これまで、新入学学用品・通学用品費の単価につきましては、都区財政調整制度の単価に基づいて、それを根拠に積算してきました。先ほど委員がおっしゃったように、子どもの貧困、子どもの未来応援、それから、就学援助の趣旨からすると、就学援助の趣旨を生かして見直すことは必要だと思いますけれども、これまでも財調単価に基づいてやってきました。ほかの区においても同様の課題を抱えていると思います。そういった中で、他区と連携しながら、都区財政調整制度の単価の引き上げについて、まずは東京都に強く要望してまいりたいと思います。よろしくご理解のほどお願いします。 ○委員(熊田ちづ子君) ぜひ東京都に23区が力をあわせて言って、早くに支給できるようにお願いします。 ○委員長(池田こうじ君) 共産党議員団の総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(池田こうじ君) 次に、港区民と歩む会の榎本茂委員。 ○委員(榎本茂君) よろしくお願いいたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  9割の東京都民が知らない、今そこにある危機という題でお話しさせていただきます。  首都直下地震が発生すると、首都の90%の電力を供給している東京湾の沿岸にある14の火力発電所が首都と同時に被災することになります。それによって、湾岸にある火力発電所の74%が再稼働までに1週間以上かかると経済産業省では新聞発表をしています。つまり、首都は大停電に見舞われる可能性が高い。そして、それが1週間以上に及ぶ可能性を誰も否定はできないということであります。  東京都では震災時の死傷者数を16万人と想定しており、東京都内に80ある災害拠点病院の機能維持は重要だと思います。とりわけ東京都ではこの各病院に対して、電源確保のために3日分の非常用発電機の燃料備蓄を義務づけているということです。区の本庁舎においても、72時間の電源確保は同様であります。  東京都は、各病院に対し、自家発電能力を保つために近隣のガソリンスタンドなどとの協定に基づく燃料の補充などBCPの策定を、現在も同じように働きかけているのですが、ガソリンスタンドには非常用発電機燃料としてのA重油は置いていないことがわかったので、指導している東京都自体がガソリンスタンドのランニングストック方式の対象から病院を外しまして、燃料は国からの支援を待つ体制に移行しているということです。この新たな燃料確保は、いずれも国、他自治体、民間といった他者依存でありまして、また、災害規模や道路状況など周辺環境によっても大きく左右され、各病院や、この区の本庁舎などが持つ発電機の燃料が尽きる3日以内に供給できるかどうか危惧しているところであります。
     これは国側も同じように危惧しているのがわかるのですけれども、東日本大震災では、製油所の石油施設及び道路、鉄道など、物流施設が広範囲にわたって被災し、供給体制の再構築に時間を要したため、政府は、大規模災害における石油の供給体制を抜本的に強化するため、もっと備蓄に力を入れなさいよという石油の備蓄の確保等に関する法律の改正を行いました。  ところが、石油というものは放っておくと酸化します。どのくらいで酸化するのかというのを、国が予算を組んでこの3年間ぐらいで調査を行いました。経済産業省資源エネルギー庁が平成26年度に380ページにもわたる石油製品備蓄の技術的課題に関する調査というものを発表しました。その結果をもとに、平成26年7月に、石油連盟から「災害などに備えて燃料を備蓄される皆様へ」というやわらかい文書ですけれども、告知書が1枚出されました。これを読んでみるとびっくり仰天な内容なのです。経済産業省はその後、各都道府県の担当者を呼んでレクを行ったそうですが、各都道府県の担当者は多分フリーズしたのだと思いますが、市町村へは全く通じていないのです。  告知書の内容は何かと言うと、読んでみると本当にすごいのです。災害の非常用発電機の燃料は2種類ございます。軽油とA重油です。軽油に関してこのお知らせ文には何と書いてあるかと言うと、「直射日光を避け、涼しい場所に密閉して保存した場合であっても、保存開始後6カ月を目安として使用してください。この使用推奨期間を超えて保存した場合、酸化が進み、場合によっては燃焼不良などの不具合を引き起こすおそれがあります」とあります。  この本庁舎に保管している燃料はA重油なのですけれども、A重油についてはもっとすごいことが書いてあります。直射日光を避け、涼しい場所に密閉して保存した場合であっても、保存開始後3カ月を目安として使用してください。この使用推奨期間中に燃料の使用と補充が1度もなく保存した場合、つまり、うちみたいに地下タンクで保存した場合、セジメント(炭素の結晶)が増加し、場合によっては燃料フィルターの目詰まりなどの不具合を引き起こすことがありますと。つまり、軽油は半年以内、A重油は3カ月で使ってくださいと書いてあるのです。区の災害拠点の電力の大半はA重油なのです。この本庁舎の地下タンクには42キロリットルという、消防法で許される最大量が備蓄してあって、72時間の発電能力はそれで補うことになっているわけです。ただ、これを国が言うように3カ月ごとに消費しなさいというと、計算してもらったのですけれども、この本庁舎だけでも毎年2,000万円のコストがかかるのです。病院などはもっと莫大な量を備蓄していますから、近所の最大拠点病院などは年間億単位のお金がかかる可能性があります。  この災害拠点病院で今まで随分ヒアリングを行ってきたのですが、備蓄燃料を定期的に入れ替えているところは1カ所もありませんでした。この本庁舎も一緒です。燃料の入れ替えということはやっていません。もちろん港区は、私が調べた限りメンテナンスにおいてはトップです。それは褒められるような、3年おきにセジメントを出したりということはやっているのですが、酸化については全く想定外なのです。この非常用発電機の想定日数3日を待たずして、あらゆるところの非常用発電機が機能しなくなる可能性があると国が言っているわけです。  そこで、質問なのですが、今後、軽油6カ月、A重油3カ月という使用推奨期間に対して、区はどのような対応をとっていかれるのか。区長のご所見を伺いたい。  また、区の本庁舎の非常用発電機は、スペック上一応は72時間の発電能力を有していることになっているわけですけれども、いまだかつて一度も72時間の連続稼働試験運転は行ったことがないわけです。これは決して区を責めているのではなくて、72時間の連続稼働試験運転なんていうものは23区でまずどこもやったことはないはずですし、東京都の本庁舎も聞いた限りではやった記憶はないと言っています。どこも誰もやったことがない、スペックをうのみにしているのが今の現状であります。このスペックというものは、自動車のスペックだって、燃費が少し違うだけで大騒動になる時代ですから、ぜひとも、今このスペックどおりに動くのかどうか、72時間の連続稼働試験運転をやっていただきたいと思っております。区長のご所見を伺わせてください。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの港区民と歩む会の榎本茂委員の総括質問にお答えいたします。  災害時における本庁舎の電力確保についてのお尋ねです。  本庁舎の非常用発電設備は、消防法、建築基準法に基づき、定期的に運転を行い、異常のないことを確認しております。また、本庁舎は2台の非常用発電設備により交互運転を行えることから、72時間稼働することが可能です。  燃料の品質については、劣化の原因となる燃料に含まれる沈殿物の除去フィルターを設置し対策を講じています。72時間の連続稼働を確認することにつきましては、停電による影響などを勘案した上で、必要な確認方法について検討し、備蓄燃料につきましても、燃料の劣化が及ぼす影響について、引き続き情報収集してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○委員(榎本茂君) セジメントの除去はやっても、酸化については調べていないのですね。酸化についてはぜひとも調べていただきたいです。  あと、連続稼働試験運転をやって壊れてしまったら、私は壊れてもいいと思うのです。震災時に壊れてしまうよりはずっといい。壊れたら壊れたで、そこから対策をしていけばいいと思うのです。国に対して、A重油も軽油も備蓄燃料として適さないと国が言っているのですから、災害備蓄燃料として軽油取引税免除となる酸化防止剤を添加した軽油を新たな石油製品として定め流通させ、税金もかかりませんよ、取引税もかかりませんよという、新たなジャンルのものを、区が率先して国に要望していただきたい。つまり、酸化防止剤入りのものを使いなさいとこれには書いてあるのですけれども、そういうものは流通していないので、ぜひとも流通させるように要望していただきたい。そして、この質問が、今後、区の行動につながり、他の自治体の行動指標となることを大いに期待しております。よろしくお願いいたします。 ○委員長(池田こうじ君) 港区民と歩む会の総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(池田こうじ君) 次に、街づくりミナト、玉木委員。 ○委員(玉木まこと君) それでは、街づくりミナトの総括質問をさせていただきます。  まず、港区シティプロモーションについて質問いたします。  港区シティプロモーションについては、産業経済費の中でも質問させていただきました。また、他の委員からも多数期待する声がありました。ラグビーワールドカップ2019日本大会、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えて、それまでの期間いかに効果的に港区をプロモーションできるかが重要だと思います。予算特別委員会の審議でも述べたとおり、観光客だけでなく、区民等の港区に対する愛着や帰属意識、シビックプライドを醸成することが重要ですが、先日、不動産仲介サイトが発表した住みたいまちランキングで港区が1位になったとお聞きし、多くの人が港区に憧れていることを再認識しました。その一方で、港区のふるさと納税による多額の税金流出は、港区への帰属意識が希薄であることの裏返しとも見てとれます。こうした状況の中でシティプロモーションは愛着を醸成する有効な手段です。  そこで質問しますが、例えば、ラグビーワールドカップ2019日本大会のタイミングにあわせ、まち全体を活用した区の一大シティプロモーションを実施してはどうでしょうか。ここで言う一大シティプロモーションとは、単に予算をかけるという意味ではなく、例えば、ニューヨークが実施したI LOVE NYやアムステルダムのI amsterdam、日本では富山市のAMAZING TOYAMAなど、わかりやすいキャッチコピー、街なかで人々がシティプロモーションを体感・参加できるモニュメントやスポットの設置、街なかにあふれた統一的なバナーフラッグ、各種公共交通のラッピング、住民参加によるさまざまな企画といった、まち全体でのシティプロモーションのことです。  ワールドプロモーション映像から始まった一連のシティプロモーションの集大成として、ぜひ世界に発信できるまち全体でのシティプロモーションを検討していただきたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。  次に、港区まちづくりマスタープランに関連して質問いたします。  いよいよ港区まちづくりマスタープランが改定されます。そこで新しく策定する港区まちづくりマスタープランをどのように区民などに広めていくかについて質問します。先ほど述べたシティプロモーションも港区への愛着を醸成する方法の1つですが、港区のまちづくりの将来像や方針を知り、自分の意見を伝え、ともに考える場があれば、もっと区政や区への愛着が湧くのではないでしょうか。そして、そうした場は、参画と協働の新たな拠点にもなるのではないでしょうか。  渋谷駅前の再開発では、Shibuya info Boxという渋谷のまちの未来像を伝えるカフェ型情報発信施設が2016年11月から2017年6月までオープンしています。この仮設コンテナ施設は、東急電鉄など、渋谷駅周辺の再開発にかかわる企業や団体で構成される渋谷駅前エリアマネジメント協議会が運営しています。同協議会は、2027年まで続く再開発事業の期間中、さまざまな情報発信やイベントを通して渋谷駅前の新たな魅力づくりに取り組んでいます。  このように将来のまちづくりを区民やまちを愛す人と広く情報共有する場をつくることは、まちの魅力を高めるだけでなく、新しくまちが変わることへの期待感を育み、その結果まちへの愛着の醸成につながると考えます。もちろん、Shibuya info Boxの事例は、渋谷駅周辺の再開発という目の前にあるプロジェクトの周知が大きな目的なわけですが、単に事業をパンフレットなどで周知するのではなく、カフェを併設し気軽に広くまちづくりについて知ってもらう場があることは、新たな人材発掘などにもつながると思います。  そこで質問です。先ほど述べたとおり、区民や在勤者、港区が好きな人に港区まちづくりマスタープランの内容や将来のまちの方向性を広く知ってもらうことは重要です。今後策定されるまちづくりマスタープランをどのように区民等に広めていく予定でしょうか。区のお考えをお聞かせください。  次に、夜間景観について要望いたします。  土木費の款で質問しましたが、平成29年度予算に芝浦港南地区の運河にかかる橋りょうのライトアップが計上されました。平成29年度はまず基本設計を行い、2橋程度の実施設計を行うこととされています。土木費の質疑でも、単に照明を橋に当てるのではなく、橋を渡る人も体感できるライティングデザインとして行うことの必要性について言及しましたが、橋りょうのライトアップの基本計画の内容がどのようになるのか大変期待しております。橋りょうライトアップの基本計画を考える上で参考すべき区の方針は、上位計画である港区まちづくりマスタープラン、港区景観計画になるかと思いますが、港区景観計画では水辺景観形成特別地区である芝浦港南地区及び台場地区の夜間の景観形成基準について、以下のように示されています。  「夜のにぎわいを演出する、ライトアップを行うなど、周辺状況に応じた夜間の景観に配慮する。特に、敷地が水辺に接する場合は、水面に映り込む光の演出やランドマークとなる施設のライトアップなどの実施により、水辺空間の夜間景観の形成を図る」とされています。  また、港区景観計画では、水辺以外の景観形成特別地区についても夜間景観に触れられており、大門通り周辺、環状2号線周辺地区では夜間のにぎわい演出に努めること、一方、浜離宮・芝離宮庭園地区では過度な照明を公園に向けないことと記されています。  このように地区ごとに夜間景観の誘導を行ってはいるものの、ライトアップの手法や光量など、具体的な夜間景観計画までは細かく定められていません。今後ますます観光客も増加すると予想される中で、港区の夜間景観を1つの観光資源とするためにも、今回の橋りょうのライトアップを契機に港区全域での夜間景観計画といった指針も必要ではないでしょうか。  パリ市ではセーヌ川に対して、セーヌ川地区夜間景観の光整備プランを策定しています。国内では金沢市で金沢らしい夜間景観整備計画、ほかにも神戸市、下関市といった国内有数の夜間景観が美しい観光地で具体的な誘導方法を明記した計画を策定しています。金沢らしい夜間景観整備計画では、樹木のライトアップや日本家屋の土塀に配したライン照明、まぶし過ぎない光の調整といった具体的な手法の紹介、そして、用途地域に応じた色温度の数値基準などを定めています。  現在、港区景観計画、港区まちづくりマスタープランと上位計画を改定したばかりのタイミングであり、そして、橋りょうのライトアップも開始しますので、今後の課題とは思いますが、区として夜間景観形成に関する具体的な手法や基準などを盛り込んだ計画やガイドライン等の策定も検討していただきますよう要望させていただきます。  最後に、地域における高齢者を支える体制について質問いたします。  民生費の審議では、来年度新たに赤坂地区総合支所管内で実施予定の地域包括ケアシステム構築のための、在宅医療・介護連携の推進に関する事業について活発な審議がされていました。  区の説明では、地域包括ケアシステムは、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に提供される体制のこととされています。ですので、平成29年度の赤坂地区総合支所管内で実施される在宅医療・介護連携の推進は、地域包括ケアシステムの要素の一部分ということになるかと思います。地域包括ケアシステムの基本となる要素の1つであり、高齢者が住み慣れた地域で生活を継続するのに欠かせないのが生活支援・介護予防です。介護保険法の改正により、地域の実情に応じ、区の取り組みとして実施している介護予防・日常生活支援総合事業は、住民主体、NPO、民間企業等多様な主体によるサービス提供や高齢者の社会参加の拡大を進めることとされています。  予算の中では、介護予防・日常生活支援総合事業と地域包括ケアシステム構築は少し別な扱いのように感じましたが、地域包括ケアシステム構築において、高齢者の社会参加や住民主体のサービス提供を支援する介護予防・日常生活支援総合事業の役割は大変大きいのではないかと考えています。  そして、平成29年度予算には、介護予防・日常生活支援総合事業の新たな事業として、住民が担い手となる簡易な生活援助サービスや、区が養成した介護予防リーダーが企画・運営する介護予防事業などが計画されています。しかしながら、現状では、担い手となる住民やNPO、企業等が十分とは言えないのではないでしょうか。実際に現在想定されているサービス提供主体は、介護や福祉分野の実績のあるNPOとシルバー人材センターといった既存の枠組みにとどまっています。これから介護予防・日常生活支援の増大・多様化される中で新たにサービスを提供してもらう地域団体や企業、NPO、元気な高齢者等の発掘が重要です。  平成30年度の本格実施に向け、地域包括ケアシステムの基本的な要素の1つである介護予防・日常生活支援を担う新たなサービス提供者や担い手をどのように増やしていくつもりでしょうか、区のお考えをお聞かせください。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの街づくりミナトの玉木まこと委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、シティプロモーションについてのお尋ねです。  区は、国内外で港区への関心や憧れを喚起しながら、区民の誇りや愛着を高めていく好循環を生み出すために、昨年5月に港区シティプロモーション戦略を策定いたしました。平成29年度は、この戦略を実践するために、民間の企業・団体などが、区の魅力やブランドを発信する取り組みに対し経費を助成することや、区を挙げての取り組みを演出するシンボルマークの作成などに新たに着手いたします。これらの取り組みにより、多様な主体の参画と協働を得て、シティプロモーションの裾野を広げていく中で、より一体感を高める手法や展開について検討を進めてまいります。  次に、港区まちづくりマスタープランについてのお尋ねです。  まちづくりマスタープランは、広報みなと特集号や区のホームページで公表するとともに、冊子のほか、わかりやすく手に取りやすいリーフレットを作成し、広く周知をしてまいります。また、それらに加えて、まちづくりマスタープランに基づく地域のまちづくりを進める上で、区職員が積極的に地域とかかわり、区民・企業等をはじめとして、まちづくり協議会やエリアマネジメント組織など、多様な主体との協働体制をさらに充実いたします。地域発意のまちづくりや、まちづくりガイドラインの策定など、身近なまちづくり活動への協働の取り組みを通じて、まちづくりマスタープランに掲げるまちの将来像を積極的に周知してまいります。  最後に、地域における高齢者を支える体制についてのお尋ねです。  区は、高齢者の日常生活支援と介護予防の取り組みの充実を図るため、平成29年4月から介護予防・日常生活支援総合事業において、住民が担い手となる訪問型サービスや、区が養成した介護予防リーダーが主体となり実施する通所型サービスを新たに実施いたします。また、社会福祉法人や民間企業、民生委員・児童委員などの地域の関係機関と区で構成される生活支援体制推進会議を設置し、ボランティアなどの担い手の養成や新たな生活支援サービスの構築など、より多くの皆さんにかかわっていただけるよう、高齢者の生活支援体制の整備に取り組んでまいります。よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○委員(玉木まこと君) ありがとうございます。以上で質問を終わりにいたします。 ○委員長(池田こうじ君) 街づくりミナトの総括質問は終わりました。  以上にて総括質問を終わります。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) これより平成29年度予算4案並びに一般会計予算に対する修正案、国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び介護保険会計予算に対する修正案について、各会派の態度表明を行います。  初めに、自民党議員団を代表して、清原委員。 ○委員(清原和幸君) 自民党議員団を代表しまして態度表明をさせていただきます。  修正予算案3案については、港区は、景気の変動や海外経済の動向、税法改正などによる影響を受けやすい不安定な歳入構造であることを常に念頭に置き、過去の厳しい財政の経験を生かし、中・長期的視点に立ち、次世代に過度な負担を残さないよう、財政の健全性を議会としても堅持していく責任があります。したがって、修正予算案については反対いたします。  武井区長から提出された予算案には、我が会派の委員が各分野において数多くの質問・要望をいたしました。これらを施策策定に反映していただき、また、施策として事業を展開されるようお願いいたします。平成29年度港区一般会計予算、平成29年度港区国民健康保険事業会計予算、平成29年度港区後期高齢者医療会計予算、平成29年度港区介護保険会計予算、いずれも原案に賛成をいたします。 ○委員長(池田こうじ君) 次に、みなと政策会議を代表して、杉浦委員。 ○委員(杉浦のりお君) みなと政策会議の態度表明をさせていただきます。  平成29年度港区一般会計予算など予算4案につきましては、大規模災害に対する備え、急増する子ども人口、急速に進む高齢化など、直面するさまざまな区政の課題に対し、積極的に対応していく姿勢を評価し、また、これに対する我が会派の意見・要望がしっかりと反映されることを強く期待し、賛成いたします。  また、修正案につきましては、市街地再開発事業に対する考え方の相違などから、いずれも反対いたします。 ○委員長(池田こうじ君) 次に、公明党議員団を代表して、池田たけし委員。 ○委員(池田たけし君) 公明党議員団を代表いたしまして、態度表明をいたします。  平成29年度予算修正3案につきましては、財政規律上の観点から、また、給付と負担の公平性、さらに財政運営上の観点から見ても、厳しい修正案と言わざるを得ません。よって、修正3案には全て反対いたします。  平成29年度予算4案につきましては、港区の今後の展望を見据えた積極的な予算編成となっております。平成29年度予算審議におきましては、我が会派としての意見、質問、要望、そして提言を述べさせていただきました。これらが十分反映されますよう要望いたしまして、平成29年度予算4案につきましては、いずれも賛成させていただきます。 ○委員長(池田こうじ君) 次に、共産党議員団を代表して、熊田委員。 ○委員(熊田ちづ子君) 日本共産党港区議員団を代表して、予算4案に対しての態度表明を行います。  国民、区民の暮らしは厳しさを増しています。GDPは横ばいで推移し、依然として低い伸びとなっています。総務省が1月31日に発表した労働力調査では、昨年12月の完全失業率は3.1%で前月と同水準です。就業者数は31万人増の6,475万人、失業者は4万人増えて209万人です。雇用の内訳を見ると、非正規雇用が37.9%と4割近くまで増えました。景気がよくなっているという説明を政府や日銀が発表しますが、町場の商店や中小企業の方にお話を聞くと、景気回復感はほとんどなく、経営の厳しさを真剣に話されます。安倍内閣は、消費税の10%への大増税を今後はどんな経済状況でも実施すると公言し、社会保障のさらなる改悪をねらっています。こうした中、港区の来年度の予算をどう組むかが今問われています。予算案の中には、私たち日本共産党港区議員団が提案・要求した制度や政策が実施されるなどの多くの前進した面はあります。しかし、区政の実態を見ると、国民健康保険料が今でも高過ぎて加入者から悲鳴が上がっているのに、さらに引き上げる条例改正を提案してきました。これが実施されれば、平均保険料は14万1,658円と、特別区の平均よりも2万3,217円も高くなり、恐らく23区で一番高い保険料となります。介護保険料も23区で港区が一番高くなっています。心身障害者福祉手当を精神障害者にも支給するよう求めても一貫して拒否しています。  その一方で、市街地再開発では、森ビル株式会社や大手不動産会社への来年度44億円も補助金を出し、2015年から2017年の3年間で158億円も拠出する計画です。区は人口が25万人を超えてよかったと喜んでいますが、喜んでばかりはいられません。大規模開発が次々と行われた結果、ずっと港区に住んでいた方々が転居を余儀なくされ、区内のクリーニング店、酒屋、理髪店、八百屋は、ほぼ半分に減ってしまっています。給付型奨学金を国が実施するわけですが、対象者が少な過ぎるので国に対象者の拡大を求めるよう質問しても、求めない姿勢です。区の施設の運営管理を民間へ丸投げする指定管理者制度が進められ、既に200を超える施設にまで拡大されてしまいました。もともと区が責任を持って直接運営管理をしていた福祉施設、区有施設でしたが、区のノウハウはほとんどなくなってしまいました。重大なことです。これが港区政の実態です。私たちは、区政の大もとを転換するために全力で奮闘する決意です。予算4案には反対いたします。  私たちが提出しました予算修正案のご賛同を重ねてお願いをいたしまして、態度表明といたします。 ○委員長(池田こうじ君) 次に、港区民と歩む会の榎本茂委員。 ○委員(榎本茂君) 今後さらに増加していく人口に対する住民サービス費など、行政需要の増大を考えると、一層のめり張りある予算配分が必要になっていくと思っております。このようなことから、平成29年度予算案に対する修正案3案につきましては、財政調整基金の取り崩しなど、安定的財源確保に不安が残るため、反対させていただきます。  また、予算原案4案につきましては、非常に先を見越した、私としては、非常に先を読んでいて気持ちがいい予算案だったと思っております。賛成させていただきます。 ○委員長(池田こうじ君) 次に、街づくりミナトの玉木委員。 ○委員(玉木まこと君) 街づくりミナトの態度表明をいたします。  まず、平成29年度予算修正3案については、一般会計の市街地再開発支援補助金への減額など、予算に対する考え方に相違があるため、いずれも反対いたします。その理由の1つとして、人口減少社会において、港区は、日本・東京の将来の経済発展を牽引する責務があり、また、再開発によって生まれた新しいまち・人・文化を受け入れていく姿勢が求められていると考えているためです。しかしながら、再開発事業については、住みなれた方が港区を離れてしまうことや、隣接する住宅地への影響など、さまざまな課題があることは私も認識しております。  次に、平成29年度予算4案については、全て賛成いたします。特に武井区長の安全・安心を最優先に考える姿勢や、人口増傾向による諸課題への積極的な取り組みを評価いたします。  そして、最後に、一人会派ではありますが、街づくりミナトが予算審議において質問・要望した事項について、今後の区政運営に反映していただくことを要望し、街づくりミナトの態度表明とさせていただきます。 ○委員長(池田こうじ君) 以上にて態度表明を終わります。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) これより採決を行います。  採決の方法は起立をもって行います。初めに、「議案第21号 平成29年度港区一般会計予算」について採決いたします。まず、本案に対する大滝委員ほか3名から提出されました修正案について、採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(池田こうじ君) 起立少数と認めます。よって修正案は、否決されました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) 次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(池田こうじ君) 起立多数と認めます。よって「議案第21号 平成29年度港区一般会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) 次に、「議案第22号 平成29年度港区国民健康保険事業会計予算」について、採決いたします。まず、本案に対する大滝委員ほか3名から提出されました修正案について採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(池田こうじ君) 起立少数と認めます。よって修正案は、否決されました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) 次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(池田こうじ君) 起立多数と認めます。よって「議案第22号 平成29年度港区国民健康保険事業会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) 次に、「議案第23号 平成29年度港区後期高齢者医療会計予算」について採決いたします。本案について、原案のとおり可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(池田こうじ君) 起立多数と認めます。よって本案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ───────────────────────────────────
    ○委員長(池田こうじ君) 次に、「議案第24号 平成29年度港区介護保険会計予算」について、採決いたします。まず、本案に対する大滝委員ほか3名から提出されました修正案について、採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(池田こうじ君) 起立少数と認めます。よって修正案は、否決されました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) 次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(池田こうじ君) 起立多数と認めます。よって「議案第24号 平成29年度港区介護保険会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) 以上をもちまして、本委員会の審議は全て終了いたしました。  この際、私から一言ご挨拶を申し上げます。  長い期間、本当にご苦労さまでございました。円滑な議論、闊達な委員会運営ができましたのも、委員の皆様、理事者の皆様のご協力とご知見によるものと本当に感謝申し上げます。特に大先輩である両副委員長のご助言、きめの細かいサポートをいただきました事務局の皆さんには心より感謝申し上げます。この予算が港区をさらに安心で、安全で、光り輝くものにするものと期待しております。また、その光の陰にある人々、物事にも、きちんと手が差し伸べられる、優しい区政であることを期待いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。ご苦労さまでした。     ─────────────────────────────────── ○委員長(池田こうじ君) これをもちまして、平成29年度予算特別委員会を閉会いたします。                 午後 5時38分 閉会...